パワー半導体関連株16社リスト-株式投資テーマから銘柄選びのコツ

パワー半導体どこに使われる 投資テーマ銘柄

この記事は株式投資で資産運用をしている株初心者、兼業投資家など個人投資家が株で儲けるための銘柄選びや、株式投資テーマから中長期投資の参考銘柄について執筆しました。

2021年は世界で半導体不足が起きたため、米国株、日本株とも半導体関連銘柄が大きく値上がりしました。レーザーテック株価は年初1万2110円から3万6090円まで、週足チャートは右肩上がりに一直線で約3倍に株価上昇しました。

パワー半導体市場が拡大を続け、パワーモジュール製造メーカーは日本企業が優位にあるため投資テーマ株として「パワー半導体関連銘柄」をスクリーニング、三菱電機、ローム、サンケン電気、富士電機など16社リストをまとめた。

なぜパワー半導体が注目されるのか

EV(電気自動車)はガソリン車よりも使用する半導体の数が多く使われるので、電気自動車の電動化には使用するモータの数がガソリン車に比べて増えます。

一般ガソリン車に使用される半導体の数は数十個から100個くらいですが、自動運転化には使用する半導体の数が数千個くらい必要と言われているのです。

EV(電気自動運)には搭載されたバッテリーに直流の電気が蓄電される、その電気を直流から交流に変換してモーターへ送電して自動車を動かす必要があり、パワー半導体は適正な電圧や周波数に調整を効率よく行い省電力化の機能も持っている。




車載用パワー半導体の世界市場は1兆338億円

矢野経済研究所は車載用パワーモジュール世界市場の調査を実施、2021年の車載用パワーモジュールメーカー出荷金額ベースで前年比43.1%増の2,656億9,200万円の見込み。

従来型のSi(シリコン)パワー半導体 Si-PMは39.3%増の2,150億3,600万円に増えた。主機モータ、インバータ、減速機ギアを一体化させた電動駆動システムのEアスクル向けに需要が伸びたと報告。

Sic(炭化ケイ素)パワー半導体SiC-PMは米国テスラ・モデル3から採用が始まり、前年比61.4%増の506億5,600万円に急成長。2022年高は欧州自動車メーカーもSic(炭化ケイ素)パワー半導体の搭載が増加してSiC-PM市場が本格的に立ち上がると市場概況を解説している。

車載用パワーモジュール世界市場は2025年に6,354億7,400万円、その後も市場成長が続き2030年は1兆338億円に成長すると予測していると調査結果をまとめている。

パワー半導体世界市場

参考 矢野経済研究所:車載用パワーモジュール世界市場はxEVの普及拡大にともない、2030年に1兆338億円に達すると予測

パワー半導体とは

パワー半導体は半導体とパワーモジュールを組み合わせて、電圧や周波数の制御や、直流と交流を変換する電力返還に使われる電子部品。

半導体単体、基板周辺部品と組み合わせ製品にモジュールで搭載させることが一般的に多く、モジュール化専業メーカーが存在する。

メモリは半導体の回路を電気的に制御してデータの記憶を行う、ロジックは演算処理を行い、センサは音や光などアナログ信号をデジタル信号に変換する用途が多い。

パワー半導体とは

参考 サンケン電気「パワー半導体って何?」

直流とは

電気が流れる大きさ「電流」と勢い「電圧」が変化しない、常に一定の電圧を維持している電気の流れ方を「直流」という。

乾電池、蓄電池などを使用すると消耗して電圧低下するが、プラス方向の電圧であることは変化しないで利用できる。

DCアダプターとは、Direct Currentの頭文字から略称で、直流アダプターのことを意味する。

交流とは

直流との違いは電気の流れる向きプラスとマイナスが周期的に入れ替わる電流で、1秒間に電流の極性が変わる回数を周波数といい、単位はHz(ヘルツ)で表示する。

ACアダプターとは、Alternating Currentの頭文字から略称で、交流アダプターのことを意味する。

半導体の種類と用途

  • メモリ
    半導体の回路を電気的に制御してデータの記憶を行う。
  • ロジック
    機器の中核部品として制御や加工、演算処理などを行う。
  • アナログ(センサを含む)
    音や光など連続して数値化されていない情報(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。
  • パワー
    電圧や周波数の制御や、直流を交流へ、交流を直流へなど電力変換を行う。

パワー半導体関連銘柄16社

脱炭素社会、カーボンニュートラルに向けてCo2をはじめとする温室効果ガス排出量削減には、ガソリン車からEV(電気自動車)へ移行、火力発電による温室効果ガス排出量を減らすために省電力化が求められている。

パワー半導体の適用領域は広範囲で、電力インフラ、電鉄、太陽光発電、電気自動車、白物家電はエアコンや冷蔵庫のインバータ、安定電源供給が必要とされる24時間365日ずっと電源を切ることが出来ない生産設備機器など需要が拡大している成長市場だ。

日本株で資産運用をしている個人投資家は銘柄選びに悩む時があります、テーマ株投資は株で儲けるために成長市場と関連企業を知ることが銘柄を選ぶときのコツとして覚えておきましょう。

パワー半導体どこに使われる

テクノアルファ(3089)

半導体製造装置、エレクトロニクス電子機器専門商社、パワーモジュール向けワイヤボンダ・リボンボンダーの生産性は他社製品比較で30-40%高い生産性となっており、自動車向けデバイスや各種パワー半導体メーカーに納入実績がある。

テクノアルファのホームページトップに「パワー半導体業界のリーディングカンパニー」とバナーがあるほど、同社はパワー半導体に注力している。

パワーデバイスメーカー世界トップ20社のうち8社が日本メーカーであり、パワー半導体関連株・株式投資テーマ株に日本株が優位であることが理由として確立されている。

昭和電工(4004)

パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハーを、ドイツのパワー半導体世界最大手インフィニオン社と長期販売及び共同開発に関する契約を締結したと発表。

国内企業向けには、SiCエピタキシャルウェハー長期供給契約をローム、東芝デバイス&ストレージ株式会社と締結。

昭和電工のSiC(シリコンカーバイド)エピタキシャルウェハーが、デンソー製の燃料電池自動車向け次期型昇圧用パワーモジュールに採用されたことも発表している。

テセック(6337)

半導体検査装置専業メーカー、低消費電力、高効率電力好感に重要なパワー半導体向けを得意とする。

車載向けパワー半導体用テスタは、半導体の電気特性を拘束、高精度に測定するシステムで大電流、高電圧対応のテスタはテセック製品が有名。

Micro Electro Mechanical Systems デバイスのハンドラは、接続されたテスタの測定結果に応じて半導体を自動的に分類、選別する装置。

今後、地球温暖化対策のCO2削減のため需要が伸びる電気自動車普及に伴い車、載用パワー半導体需要が高まるため、生産工場フル稼働、増配と株主還元銘柄としても注目される。

タカトリ(6338)

2021年9月にパワー半導体向けSiC材料切断加工装置の大口受注を獲得、受注額は5億円、11月にも受注額3億6,000万円と5億3,500万円のSiC材料切断加工装置の大口受注を海外企業から獲得。

TAKATORI新開発のSiC専用ワイヤーソーMWS-SiC6-MWS-SiC8は、企業価値向上のために6インチ、8インチSiC切断に最適なスペック、安定稼働を実現する制御システム、高精度切断を実現する高剛性構造、消費逓減機構などが特長。

東芝(6502)

SiCパワー半導体を制御するドライバーICのワンチップ化に世界初の成功、パワー半導体で発生するノイズを従来比51%できる、モータ駆動時の損失電力を25%抑えられ、2025年の実用化を目指す。

東芝はパワー半導体事業への投資を継続的に行い、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体やGan(窒素ガリウム)パワー半導体の開発、製品化を加速する計画。

巨額買収した米国原発事業ウェスチングハウス巨額損失で、一時は東芝上場廃止とも騒がれ、上場基準に抵触したことで東証一部市場から東証二部市場へ指定替え、数年後に再び東証一部上場に復帰。

2021年11月に「東芝、3社に分割」を正式に発表。原発・交通システムなどのインフラ事業、半導体製造装置、ハードディスクドライブなどデバイス事業、残る本体の東芝は半導体メモリーのキオクシアホールディングス株式と東芝テック株式を保有して東芝ブランドを存続させる。

参考東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇

三菱電機(6503)

2021年11月に三菱電機パワーデバイス事業説明会が開催された。説明会で今後2025年度までの5年間に、パワー半導体事業に1,300億円投資計画があることを発表。

クルマの自動運転化、CASE(コネクテッドカー)、ハイブリッドカー市場拡大や、民生機器のインバーター搭載が進み、インフラエネルギー・電鉄などの省エネによってパワーデバイス市場は2020年から2025年まで年平均成長率12%ベースで拡大するという。

xEV用RC-IGBTの量産開始している三菱電機はウェハー製造の生産能力を約5倍に増強して、生産向上、低損失化を実現させる。同社のパワーデバイス事業を分野別売上高規模比率で2020年度50%から2025年度65%へ拡大する。

富士電機(6504)

xEV向け第4世代直接水冷IGBTモジュールを量産開始、パワー半導体が電気自動車や産業機器向けに好調で2022年3月期利益予想を上方修正、SiC-MOSFETの開発動向が注目されている。

ゴールドマン・サックス証券はレーティング最上位の「コンビクションリスト買い」に富士電機株式投資評価を引き上げた。従来のレーティング「買い」から「Conviction Buy List」へ格上げ、目標株価6,100円から7,300円へ引き上げた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券アナリストも富士電機レーティングを「オーバーウェイト」継続、目標株価6,170円から7,270円へ引き上げており産業エレクトロニクスセクターのコア銘柄と紹介している。

外資系大手証券会社、国内銀行系大手証券会社そろって投資判断を最上位「買い」強気の姿勢で目標株価を引き上げている点は個人投資家も投資指標として参考にできそうだ。

オキサイド(6521)

光学デバイスメーカーで計測装置メーカーや光学製品メーカーに光学単結晶など製造販売。半導体ウェハ検査装置向け紫外レーザーが微細化ニーズで受注好調。

がん診断に使用されるPET診断装置に搭載されるシンチレータ単結晶ヘルスケア事業も好調。

パワー半導体材料のGaN(窒化カリウム)薄膜単結晶の成長に適した新材料単結晶基板「SAM」のサンプル出荷を開始。

GaN(窒化カリウム)をSAMで成長させると、高歩留りで膜を構成できることからあパワーデバイス用材料として研究開発が進んでいる分野。

トレックス・セミコンダクター(6616)

脱炭素社会を目指すために電子回路の省電力化と発熱を抑える低損失パワーデバイスを推進。

フェニテックセミコンダクターを子会社化により車載関連機器、産業機器、LED照明、ウェアラブル端末、ドローン分野で顧客拡大。

タムラ製作所の子会社ノベルクリスタルテクノロジー社へ出資しており、ノベルクリスタルテクノロジー社が酸化ガリウムが材料のパワー半導体ダイオードを開発したニュースで関連銘柄として株価上昇。

サンケン電気(6707)

半導体素子が主力、電源関連に強く電機や自動車業界に供給。自動車向け製品にはオルタネータ用ダイオード、磁気センサー、高圧3相モータ駆動用ICなど、特に自動車向け磁気センサーが世界トップクラスのシェア。

白物家電向け製品では環境問題、二酸化炭素排出量規制、省エネ効果の高いインバータ化に対応する。

エアコンコンプレッサ駆動用IPM、冷蔵庫コンプレッサ駆動用IPM、エアコン室外機ファンモータ駆動用IPM、エアコン室内機ファンモータ駆動用IPMなど家電製品の電力消費量削減に貢献している。

今後、経営リソースを集中させる半導体デバイス事業、パワーモジュール事業は新規ビジネス受注案件として、電動コンプレッサ向け次世代IPM、EVトラクションモータ駆動用インバータ向けパワーカード、EPS向けMOSモジュールなど好調。

ルネサスエレクトロニクス(6723)

自動車向けに強みを持つ半導体メーカーで、パワー半導体にも注力、日立製作所、三菱電機、NECの半導体が統合して発足、車載マイコン世界シェア40%の首位クラス企業。

100年に一度と言われるクルマ業界の変動、電動化にEV、CASE、IoTに欠かせない電源高効率化、高耐圧のパワーデバイスを展開。

「低損失&高破壊耐量」とパワー半導体の価値を自動車業界へ訴求、ルネサスパワー半導体の優位性に大規模量産サポート、スクリーニング技術でお客様のスクラップコスト削減に貢献している。

タムラ製作所(67688)

タムラ製作所の子会社ノベルクリスタルテクノロジー社がβ型酸化ガリウムが材料のパワー半導体ダイオードを開発したと発表。

従来型のSi(シリコン)パワー半導体は性能向上限界が近づいており、SiC(シリコンカーバイド)や窒化ガリウムが世界で開発中の段階。

ノベルクリスタルテクノロジー社が開発したβ型酸化ガリウムは、SiC、窒化ガリウムよりも性能が優れており、省電力性能が高いことからEV(電気自動車)や産業用電源への活用が期待されている。

高電圧対応の酸化ガリウムパワー半導体開発を発表した2021年12月24日、タムラ製作所株価はストップ高まで値上がりした。

新電元工業(6844)

新電元工業のパワーモジュールは複数個のパワー半導体を組み合わせて1つのパッケージ化した製品で、電子機器の小型化、製造過程の生産性改善に役立つ目的がある。

車載用にはINVモジュールシリーズ、パワー半導体ブリッジダイオードは世界上位クラスの企業。

電源メーカー、パワー半導体で培った技術をベースに事業を展開、主要取引先にはホンダ、トヨタ自動車など二輪車、四輪車メーカーがある。

トヨタ自動車が2030年までに30車種のバッテリー電気自動車を投入して、年間350万台の販売計画と報じられ、充電器の新電元工業も投資テーマ関連株として人気上昇。

三社電機製作所(6882)

パナソニック系列のパワー半導体、電源機器メーカー。高耐圧、大電流に加え電力損失を抑えたパワー半導体を開発。

パワー半導体業界で現行主流のプレーナ型チップと同じ面積で高耐圧、低損失電力の両性能を持つメサ型を採用。

大容量型パワーモジュール、小容量パワーディスクリートなど、三社電機製作所独自製品、競合他社比較で優位性があるパワー半導体を開発している。

フェローテックホールディングス(6890)

世界中で電力抑制、省エネ化に向かって需要が高まるパワーモジュール放熱絶縁基板に強み。傘下のフェローテックマテリアルテクノロジーズ社はパワー半導体用基板を製造。

DCB基盤(Direct Copper Bonding)と新製品のAMB基盤(Active Metal Brazing)の量産を開始している。

電気自動車、ハイブリッドカー、高性能の家電製品などにパワー半導体が必要とされており、フェローテック社製のサーモモジュール製造技術を応用した放熱用絶縁基板の市場拡大が期待されている。

ローム(6963)

特注カスタムLSIで世界トップクラス企業、自動車向け磁気式絶縁ゲートドライバICでも世界トップ企業。

第4世代SiC-MOSFETを開発中、カスタムICに強み、SiCパワー半導体でメーカーとしての存在感が強く、2022年にローム・アポロ筑後工場の稼働開始する。

ロームのパワーデバイス商品は、SiCショットキーバリアダイオード(SBD)、SiC MOSFET、フルSiCパワーモジュール(SiC SBDとSiC MOSFETを内蔵)、高熱抵抗パワーモジュールがある。

ゴールドマン・サックス証券は1月7日、ローム株式投資判断をコンビクションリストBUYに採用、レーティングを最上位に格上げした。

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