2022年決算発表集計通期会社計画の上方修正を発表した企業は104社

株式投資信託2021 日本株投資戦略

好業績銘柄に投資家心理改善

東海東京証券見通しでは、これまで決算発表した銘柄を集計すると、3Q経常利益実績で市場予想を上回った銘柄は全体の約59%、通期会社計画の上方修正を発表した企業は104社で、概ね良好な内容と評価。

今回の決算ではJR各社を始め、リオープニング関連銘柄の10~12月期で黒字確保と経済正常化への動きも確認されていると評価。

株価の先行きに対する不透明感は根強いものの、好調な企業業績を確認するにつれ投資家心理の改善に繋がると予想しています。

日本郵船と商船三井の買い推奨を継続

海運株とJ-REITの野村證券レポートは、両セクターは同時急落したものの、1月21日と28日の終値を比較すると対TOPIXに対し東証REIT指数は7.6%、海運業は7.7%とそれぞれアウトパフォームしていると指摘。

両セクターのファンダメンタルズは概ね堅調、10年物の米国債の金利に関しても大きな変動がなかったこと、市場全体のリスクプレミアムが上昇する中、海運株はすでにPERが低く、市場の平均値に比べ高い資本コストで評価されていたことで調整が限定的、J-REITは株式市場のリスクプレミアムの変動には強いことが確認できたと指摘。

FRBのパウエル議長の記者会見により株式市場ではFF金利の早期の利上げが意識されたものの、米国小売販売が数量ベースで下落しなければコンテナ運賃の減少にはつながりにくいとみて、FF金利の今後の引き上げはインフレ抑制で小売販売減少を目的としていないことから、コンテナ運賃の低下は想定しにくいと解説。個別では日本郵船と商船三井の買い推奨を継続。

パニック売りが現物株で発生した可能性があると報告

JPモルガン証券の株式市場見通しでは、日本株はリスク回避ムードが強まっていると指摘。米国株発のショックとは言え、日経平均株価は2020年秋口の「ワクチンラリー」後の水準に押し戻されているため、大半の市場参加者の想定を超える年初来の下げ幅を受け、一段のダウンサイド・リスクを警戒する声が増えていると解説。

本邦投資家層の体感温度に近い日経平均のザラ場リターン(寄付き→大引け)を見るとコロナショック以降の上昇幅を全て失った形となり、パニック売りが現物株で発生した可能性があると報告。

1月27日の空売り注文比率は50%台と高く、投機目的のショートも同時に膨張、こうしたショートは将来的な買戻し圧力に転化し、「一旦は売り圧力のピークを迎えつつあることを示唆している」と分析しています。

証券ジャパンが日本株下落により魅力的水準と

相場見通しはIMFが世界経済&多くの国の2022年成長率見通しを下方修正する中、主要国で上方修正されたのはインドと日本のみとなったことに着目。

市場の目線は来期業績へと移り、企業を取り巻く事業環境に加え、インフレやサプライチェーン問題に対応する経営力・調達力、株主還元への姿勢などが主に選別のポイントになるとみて、海外投資家による岸田政権への不安・不信、需給悪などを加味しても、PER14.5倍、 PBR1.22倍(1月27日現在)まで低下した日本株は十分魅力的と評価。

テクニカルでは、日経平均株価の次の下値メドは、コロナショック安値から昨年高値までの上昇幅に対する3分の1押し水準の25983円、38.2%押し水準の25280円とみて、25日移動平均線の下方乖離7.4%は短期的な売られ過ぎ感があると解説。

証券ジャパンは参考銘柄として、日本郵政、NTT、エスプール、信越化学、新光電工、日本電産を紹介しています。

日経平均テクニカル分析・下値目処24,400円

SMBC日興証券テクニカル分析では、日経平均は昨年8月の短期底27013円を割り込んだため、昨年9月からの調整が継続中であることが確認されたと指摘。

最終的な下値メドのひとつと考えてきた26850円のサポートもあっさりと割り込んだことから、25740円まで下げが続く公算が大きくなったとみて、25740円でも下げ止まらない場合は25250円、25250円でも下げ止まらない場合は24400円まで下げが拡大することも考慮せざるを得ないと解説。

それでも、25740円を下回る下げは、「売られ過ぎ」の領域と考え、底入れの時期は近付いていると予想。上記いずれかの水準で下げ止まり1400円幅を超える反発が生じると、底入れの可能性が高まり、その後は1~2ヵ月間で2280円幅か3660円幅程度の反騰の可能性があると予想しています。

FA関連銘柄の買い推奨はファナック、キーエンス、SMC

クレディスイ証券「機械セクターレポート」では、需要は堅調に推移、今後の需要鈍化懸念がより意識され始めた印象と指摘。

ファナックの決算では原材料高・物流費高の影響を主因に利益率の悪化が確認され、ロボット事業の売上高拡大による収益性悪化への懸念も株式市場では意識されていると解説。

今後の銘柄選定では、需要の反動減リスクが低く、着実に収益を上げられる銘柄が選好されやすくなると考え、FAセクターではキーエンスとSMCを特に選好。

ファナックは、北米自動車OEMメーカーの設備投資拡大による受注拡大やロボドリルの受注も回復傾向に転じると想定し、買い推奨を継続しています。

日本株は一旦弱気トレードが小康状態

JPモルガン証券の株相場見通しでは、日本株は一旦弱気トレードが小康状態、日経平均株価は反発しているものの、現状は短期的な揺り戻しの可能性があると指摘。

米国株式睨みの不安定な状況に変わりはないとして、日本株センチメントはマイナス圏に留まり、ボトムアウトを判定できないと解説。

Fedを筆頭に大規模緩和の正常化観測が高まる中、日本株プレーヤーの恐怖心克服には時間を要しそうとみているものの、バリュエーション調整という文脈に立つ限り、日本の主力銘柄は「十分なディスカウントが進展したと判断してもよい」との見解を示しています。

トヨタ自動車生産台数見通しと下方修正

自動車部品セクター決算プレビューで、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は本日から本格化するトヨタ系では慎重なスタンスが無難と指摘。

3月のトヨタ自動車生産水準は依然不透明、トヨタ系の下方修正発表が頻出する可能性を変える材料は出ていないものの、下方修正があっても大半が織り込み済、先週金曜公表の3Q生産台数は1Q並みを確保しているため、3Q業績への悲観は不要と解説。

ホンダ系は決算サンプル数こそ少ないものの、トヨタ系ほど半導体不足の追加影響がないかもしれないと予想しています。

業績上方修正と短期株価ポジティブ反応予想銘柄

機械セクターのレポートでは、決算後半戦でも、「3Q業績」、「サプライチェーン混乱の影響と対処」、「調達コスト上昇と価格転嫁の進展」が注目点と指摘。

サプライチェーン混乱の影響は外部から確認しにくいものの、経営努力が反映されやすいため、企業のクオリティに注目して銘柄選別を行うべきとして、決算前半戦では物流費を中心にコスト増加が事前想定よりも深刻化している印象を受けたと解説。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券アナリストがDMG森精機、THK、ナブテスコは2022年12月期計画で増益を発表する可能性があるとみて、増益計画の場合、株価は短期ポジティブに反応する可能性があると予想しています。



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