日経平均株価23000円程度までの下落もあると予想
SMBC日興証券の相場見通しでは、懸念していたコモディティ高騰リスクが実現し、相場が明確に復調するのは5月以降、インフレ次第ではさらに後ずれする可能性が高まったと指摘。
TOPIXの12ヵ月先予想PERは12倍を突破して下落、「瀬戸際」の水準に差し掛かったとみて、過去PERが12倍を下回った後はEPSの下方修正が起こり、株価はそれを予見して比較的大きく下落していたことに着目。
株価下落が現状の水準で止まらない限り、コモディティ高騰に伴うEPS毀損を市場が織り込み始めたとみて、PER は基本的に0.5倍刻みで上下する傾向があるため、次の下値メドはPER11.5倍水準のTOPIX1715ポイント、日経平均24000円と試算。
過去12倍を下回ったPERは11倍程度まで下落することが多いことから、TOPIX1640ポイント、日経平均株価23000円程度までの下落もあると予想しています。
大手生命保険会社の株価見通し「強気」継続
生命保険セクターのレポートでは、ウクライナ情勢を受けて、カタリスト発現の時間軸が後倒しとなった印象があるものの、「超長期金利の上昇」と「余剰資本の活用」による推奨に変化はないと指摘。
生保大手3社(第一生命、T&D、かんぽ生命)合算の修正P/EV 倍率は0.27 倍に留まり、金利上昇の潜在性を踏まえると再評価の余地は大きいとみて、供給面の制約から「構造的なインフレ圧力」は強まっていると解説。
大和証券は生命保険セクター判断「強気」を継続。個別では、第一生命は自社株取得規模が焦点、T&Dホールディングスの出再保険は株主還元にプラス、かんぽ生命保険は悪材料出尽くしと評価しています。
戦争など地政学的リスクで株価下落期間は平均19日間
見通しでは、1970年以降の主要地政学リスクイベントで株価指数が調整した平均期間は19日、調整前の水準まで戻すために要した平均日数は18.5日となっているため、今回の調整はほぼ過去の中央値に達し、指数反転局面に入った可能性もあると指摘。
悪材料はかなり織り込んでいるとみて、市場の注目は「地政学リスク」から「制裁リスク」へ移ると解説。
東海東京証券は個別銘柄に来期も好調な見通しのミネベアミツミとNTTデータに注目。参考銘柄として、ルネサスエレクトロニクスと三菱重工を紹介しています。
櫻井よしこ「例えば、日本が中国に攻め込まれ、私達が”最後まで戦う”という時に他の国に『妥協しなさい』と言われたらどうか」
橋下徹「安全を守る為に政治的な妥結もある」
櫻「ウクライナは絶対に領土を譲らず、ロシアは絶対に欲しい。現実的にどんな妥協するのか」
橋「………」
ノープラン😩 pic.twitter.com/6ja3lV4G4Z
— ピーチ太郎2nd (@PeachTjapan2) March 12, 2022
立花証券の注目銘柄に湖北工業とニチモウ
立花証券による見通しでは、日本にとってウクライナ情勢の悪影響は欧州よりも軽微でも、原燃料や小麦粉などの輸入品の値上がりは生活を直撃すると指摘。
日銀は依然として金融緩和スタンスを崩していないものの、インフレ期待が高まってくると舵取りは一段と難しくなるとの見方で、波乱の中では中長期の視点で選別を選別していきたいと解説。
独自の技術やビジネスモデルで安定成長が見込める企業や、自社株買いや増配を継続的に行う企業に着目し、注目銘柄として、湖北工業とニチモウを紹介しています。
原油価格と世界景気の想定に基づく3つのシナリオ
野村證券がまとめたアナリストレポートは、原油価格と世界景気の想定に基づく3つのシナリオを分析して発表した。
原油価格1バレル=80ドルの楽観シナリオ
- 企業業績:15~20%増益
- 日経平均株価予想:32000円
- 主な相場ドライバー:ロシアリスク巻き戻し、輸出加速、良い金利上昇
- アウトパフォーム候補:自動車、電機・精密、機械、化学、金融
1バレル=115ドルのシナリオ
- 企業業績:5~10増益
- 日経平均株価予想:29500円
- 主な相場ドライバー:原油高耐性(高ROE)、米実質金利安定、中国関連
- アウトパフォーム候補:機械、電機・精密、不動産
1バレル=160ドル
- 企業業績:減益
- 日経平均株価予想22000円
- 主な相場ドライバー:資源高、低成長、設備投資減少
- アウトパフォーム候補:エネルギー、商社、医薬品
メインシナリオ
- 1バレル=95ドル
- 企業業績:12%増益
- 日経平均株価予想31000円
- 主な相場ドライバー:原油高耐性(高ROE)、米実質金利安定、中国関連
- アウトパフォーム候補:機械、電機・精密、不動産を想定
ウクライナ情勢により株価ボラティリティ大
機械セクターのレポートでは、ウクライナ情勢で株価が大きく影響される状況が続き、ファンダメンタルズへの関心が低下していると指摘。
それでも、今後はコスト高影響が想定される中で、利益を確実に拡大できるかどうかに着目して、値引き率抑制や値上げを行う方針のSMCやアマダの利益増を想定。
キーエンスとハーモニック・ドライブ・システムズはコスト高影響による価格転嫁は行わない方針も、売上増や売上高に占める材料費の比率が相対的に低いことから、着実に利益を拡大できると予想。
クレディスイス証券は個別銘柄にキーエンス、SMC、ハーモニックの買い推奨を継続しています。
日経平均株価予想4月8日SQ後に再び下値模索
みずほ証券テクニカル分析レポートでは、リスク警戒で海外投資家のポジション、特に欧州投資家の手仕舞い売りが出ると指摘。
3月11日SQに向け下値模索、来週は3月SQ値も上値抵抗線になり、お彼岸に向けても下値模索になると解説。
2021年9月高値(日経平均30670.10円、TOPIX2118.87ポイント)から20%前後下落した日経平均24500円、TOPIX1750ポイント前後までの下落を警戒する必要があると指摘。
配当再投資やリバランス買いにより、3月末から4月上旬頃に日経平均26000円、TOPIX1850ポイント超まで反発すると予想。
4月8日SQ後は再び下値模索になり、4月下旬頃に一旦安値を形成、ダブルボトムの形になると予想しています。
ロシア関連株・欧州関連株の下落は売られ過ぎ水準に
証券ジャパンの日本株見通しでは、プーチン大統領による更なる強硬策、それに伴う各国による制裁強化の動き、マーケットのリスクオフ加速といった「悪循環が生じるリスク」は残ると指摘。
先週と同様に資源高などで恩恵を受けそうなエネルギー関連株(原油や非鉄関連、商社株など)が消去法的に狙われそうとみて、AGCなどのロシア・欧州関連やトヨタやデンソー、日立製作所など先週に大きく売られた一部の銘柄は、バリュエーション面から魅力的な水準になってきたと解説。
証券ジャパン参考銘柄として、バンダイナムコ、オイシックス、浜松ホトニクス、NECネッツ、関西電力、ダイフクを紹介しています。
原材料高でも利益率の高い企業リスト38社
日本企業業績見通しは、前年比ベースで見た原材料高による影響は4Qでピークアウトすると考えるも、2022年度通年でも営業利益に対して14%の押し下げ要因になると指摘。
利益率が高い銘柄は原材料高の中でも業績予想上方修正優位が続いていることに着目して、4Qも原材料高に対する抵抗力を示すと想定。
原材料高への抵抗力を示す銘柄
- キーエンス
- JCRファーマ
- 任天堂
- ディスコ
- 塩野義製薬
- 信越化学
- SMC
- HOYA
- 小野薬品
- 東京エレクトロン
- アドバンテスト
- ファナック
- SANKYO
- ヒロセ電機
- 新光電工
- 科研製薬
- 日産化学
- 村田製作所
- 日本新薬
- アリアケジャパン
- FUJI
- 住友金属鉱山
- シスメックス
- 太陽誘電日油
- テルモ
- アステラス製薬
- オリンパス
- アンリツ
- ツムラ
- イビデン
- 日本ガイシ
- 参天製薬
- ゴールドウイン
- 日東電工
- 丸一鋼管
- ローム
- 東ソー
- JSR
東海東京証券がサイバー攻撃関連と防衛関連株に注目
東海東京証券による株式相場見通しでは、TOPIXは1850ポイント水準をサポートに「下げない相場」を維持していると指摘。
上昇のきっかけとなる好材料が乏しいものの、悪材料についてはかなり織り込んでいるとみて、岸田政権の今後はともかく、経済活動再開とともに日本経済が持ち直す可能性は高いと解説。
市場心理が弱気に傾いている今が良好な投資タイミングとみて、セクターでは、足元の不安定な環境下でも選好され始めたサイバーセキュリティ関連と防衛関連に着目。
サイバーセキュリティ関連株
- デジタルアーツ
- セグエ
- NRI
- サイバーセキュリティクラウド
- トレンドマイクロ
- 伊藤忠テクノソリューションズ
- 富士通
防衛関連株
- 三菱重工
- 川崎重工
- 三菱電機
- NEC
SMBC日興証券が選ぶ商社株の投資判断と買い推奨銘柄
商社セクターのレポートでは、ロシアのエクスポージャーが嫌気された局面はあったものの、一旦の最悪シナリオは織り込んだと指摘。
前年比減益のガイダンスリスクは既にコンセンサス、化石燃料を中心に脱炭素によるインフレは残存する可能性が高いとみて、ロシアに対して早期の制裁解除が見込めない場合、商品価格の上方圧力は残存、サプライチェーンの混乱が商社のトレード機能の発揮として恩恵をもたらす可能性もあると解説。
インフレとともに業績・還元上振れの期待値が更に増す展開を想定し、株価下落時は好機と位置付け、リスクオフの局面時では高配当利回りを下支えにディフェンシブ性を発揮しやすく、他の素材株対比で優位に立つ可能性もあると予想。
SMBC日興証券は商社株の個別銘柄に伊藤忠商事、三井物産、豊田通商の買い推奨を継続しています。
鋼材市況が急上昇、鉄鋼価格は当面上昇が続く予想
JPモルガン鉄鋼セクターのレポートでは、ロシア・ウクライナ情勢による鋼材価格の上昇は欧州からアジアへ伝播していると指摘。
欧州市況高騰を受けインドミルは供給をアジアから欧州へシフトさせる動きが見られているとして、欧州バイヤーはアジア材の調達を進めている中、アジア市場では中国材以外のオファーが少なく、中国材も値上がり基調と解説。
供給が絞られる中、春の需要期に向けて、アジア市況の上昇局面は当面続くと予想しています。
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