永久債を日銀が引き受けとは、永久に返済しない借金を意味する
「ヘリコプターマネー」という言葉をよくニュースで聞くようになってきました。経済政策・中央銀行の金融政策でFRB元バーナンキ議長が来日したことによって注目度が高まっています。お金を上空でヘリコプターからバラまくというイメージがする言葉ですが、改めてヘリコプターマネーのメリット&デメリットを知っておく機会です。
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ヘリコプターマネーの最大メリットは政府の利益
永久債を日銀が引き受けることにより「お金が沸いて出てきた」ようになる、これを使って財政再建を行い、将来への増税不安が無くなれば企業や若者の消費や設備投資が増えるかもしれない。消費、設備投資が増えれば新たな需要創造を行うことができて停滞している日本経済を抜け出す可能性にも結び付く。
メリット
・何も引き換えに出さずに紙幣を手にすることができる
・永久債を日銀が引き受け
・この永久債とは政府が借金をするが「永久に返済しないというお墨付き」のような物で、特に無利子で政府が調達した金額を日銀に渡して紙幣に交換したらすべてが政府の利益ということになる。
ヘリコプターマネーのデメリット
こうして政府が無利子、永久に返済をしない借金を財政再建に使うメリットがある反面、無かったお金が存在するために日本円のお金の価値が下落する。株式でいえば増資により「一株利益の希薄化を嫌って株価下落した」というパターンだ。
家計の現預金は2016年3月末で894兆円あり、ヘリコプターマネーにより増えた紙幣は、紙幣の価値を下落させインフレを引き起こす可能性が懸念されている。
第二次世界大戦直後に、とある国で政府が無尽蔵に紙幣を発行したために、コーヒー1杯飲むのに料金がトランク1個分の紙幣だった。それが翌日にはトランク2個分に値上がりしたという「スーパーインフレ」の例がある。
ヘリコプターマネーの最大のデメリットはインフレ懸念、紙幣の価値下落
ヘリコプターマネーは銀行株にメリット
7月8日、参院選挙前に為替は1ドル=99円台を再びつけて、東証銀行業株価指数は今年の最安値を記録した。その後、バーナンキFRB元議長が来日するなど市場では「ヘリコプタマネー導入への思惑」から、円は急反転して1ドル=107円台への円安となった。
銀行指数チャート(1615)
10年物国債利回りがマイナス29.3ベーシスからマイナス23.4ベーシスに上昇しており、マイナス金利が縮小すれば銀行株はポジティブとみられ株価上昇することが裏付けられた格好となった。
7月28・29日の日銀金融政策決定会合で、ヘリコプターマネー的な政策が出なければ一旦は銀行株に失望売りが出やすいと想定。
銀行株価配当性向、PER、BPSあらゆる指標で割安感はあるが、ECB禁輸緩和で欧州銀行株の下落を知った外国人投資家が日本の銀行株投資にためらいを持っている段階のままである。
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