松井証券決算発表、業績2ケタ減益
ネット証券大手の松井証券が4月25日に2019年3月期決算発表を開示した。決算報告資料で2019年3月期の営業収益は前期比15%減の273億円、経常利益は前期比27%減の136億円、当期純利益は26%減の96億円となった。
第4四半期は株式等委託売買代金の減少により、受入手数料が7億7000万円減少、信用取引平均残高の減少に伴い金融収益が4億6000万円減少。営業収益は直前四半期比13億1000万円減の58億800万円(直前四半期比18%減)となった。
サンバイオ株価急落による追証回収不能
第4四半期(2019年1月~3月)はサンバイオ(4592)株価急落がオンライン証券にも影響を与えた。サンバイオ株価は1月29日終値1万1710円から5日連続ストップ安となり、2月5日安値2401円まで約80%も株価急落となった。
サンバイオ株価急落の理由は、同社が1月29日に「再生細胞医薬品「SB623」慢性期脳梗塞を対象にした米国でのフェーズ2b臨床試験の解析結果速報を受けて」と開示した。資料内容に良好な結果が出なかったことがネガティブサプライズとなり株価暴落した。
松井証券ではサンバイオ株価急落に伴う信用取引の追加保証金(追証)回収不能となる一部顧客により、立替金が発生して7000万円の貸倒引当金繰入を計上している。
このことについてはSMBC日興証券レポートが「貸倒引当金を計上したものの、同業他社比では低い水準である。」と説明しているから、証券会社全体ではサンバイオショックが相当な規模で、個人投資家を株式市場から退場させる原因になったと推測できる。
参考松井証券(8628)2019年3月期決算報告資料
参考サラリーマン投資家注目株ランキング
株初心者にもわかりやすい信用取引「追証とは」
追証(おいしょう)とは何でしょうか?
追加で担保の差入れが必要となった状況です。
信用取引では、担保を差入れて現金や株式を借りるため、定められた担保(保証金)率を維持する必要があります。信用で買建てた銘柄の値下がり、または、売建てた銘柄の値上がりによって出る建玉の含み損や、担保の値下がりによる担保価値の低下などにより、担保(保証金)率が一定の比率(最低維持率)を下回った場合、定められた期日までに追加で担保(保証金)を預け入れる必要があります。これが追加保証金、いわゆる「追証」です。その後の相場の変動により担保(保証金)率が上がっても、一度発生した追証は自然に減少・解消することはありませんので、注意が必要です。
ちなみに、松井証券では、維持率が20%未満となった場合は速やかに追証の差入れか、既存建玉の返済が必要になります。
信用取引・追証について公式ページ:松井証券
https://www.matsui.co.jp/service/margin/study/qa/qa_05.html
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