ドル円為替見通し、大手生命保険2017年度運用計画
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外為市場ではドル円の上昇が目立っており、円安と金価格の下落が同時進行している。フランス大統領選挙リスクが後退、北朝鮮の核実験が無かったというマーケット関係者が最大の関心を持った「2大リスクが後退」したことで、全面的なドル買いが進み1ドル=111円台に突入している。
これまで市場関係者の「トランプ政権=ドル安政策」という誤解が明らかになり、地政学的リスクの後退が一気にドル買い材料になった。ドル円相場に深く関係する米国10年金利が2.3%まで回復しており、今後は6月にFOMCが米国利上げに踏み切るアナウンスが注目材料となる。
ドル円相場見通しのサプライズ
FX関係者の間で話題になったのは、大手生命保険会社の2017年度運用計画が公表されたことで、意外なのは大手生命保険会社8社中8社全部がドル円の上値目途を1ドル=120円以上を想定していること。直近のドル円相場はリスク要因で円高が進み1ドル105円~103円も現実的と話題になっていたばかり、このタイミングで大手生保運用計画で120円以上の円安を見込んでいるという。
逆にドル円相場の安値メドを100円~101円としている大手生保は8社中5社だった。欧州政治リスク、EU崩壊の危機、フランス大統領選挙での「ルペンリスク」がドル下落の要因と考えられている模様。
こうした背景を考慮して大手生命保険会社の資金運用は、5月7日のフランス大統領選挙でマクロン氏の勝利すれば、6月のFOMC利上げを待たないで先にドル買いに投資行動をすると推測されている。
外為FX、今日の注目材料
4月28日は各国で経済指標の発表が多く予定されており、特に注目されているのは米国第1四半期GDP一次速報値です。コンセンサスでは1%増となっているが、JPモルガン予想では0.3%増と控え目の予想になっている。発表されるGDPがJPモルガン予想に近い弱い結果であれば短期的にドル下落の材料とされるだろう。
Fed利上げ期待が後退すれば投資家は週末前にドル買いポジションを手仕舞いして、ドル下落、円上昇、米国金利の下落というシナリオが予想される。現在の適正は1ドル=110円台前半、5月以降にUSD/JPYが上昇する傾向とのチャートが伺える。
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