アセンテックIT関連の小型マザーズIPO
4月25日にアセンテックが東証マザーズ市場へ新規上場する、IPO関係者の間ではアセンテック評判が高く、公開価格を大幅に上回る4月の注目IPOと言われている。東京証券取引所は4月14日夕方、アセンテックの公開価格が仮条件1840円~2000円の上限2000円で決定したと発表した。ブックビルディング需要は強く、主幹事SBI証券、引受証券はニュース証券、極東証券、藍澤証券、岩井コスモ証券、SMBCフレンド証券、東洋証券からIPO申し込みができる。
アセンテック初値予想は公開価格2000円の2倍以上を見込む、地合いによるがベストシナリオは上場初日は買い気配で終了。値幅制限は公開価格2000円の2.3倍となる4600円、上場2日目に即金徴収により初値を形成するというパターン。新規上場による公開規模は9億200万円、売出株式の放出元に安田企業投資4号投資事業有限責任組合が13万株があるが、保有株数の半分を上場時に売り出すが残りの半分13万株は保有継続する様子。
・アセンテック初値予想コンセンサス4000円~4600円(2017年4月17日)
事業内容は「仮想デスクトップに関連する製品開発、販売及びコンサルティングサービス提供」とあり、IT企業、クラウド関連と名目がつけば個人投資家の人気がつきやすく株高になりやすい要因になる。大株主にはロックアップ契約があるが、公開価格の1.5倍もしくは上場後90日間でロックアップ解除となる。しかし株主構成をみると大株主が売りに向かうという印象は小さいので、需給面での過度な心配は不要と思われる。
新規株式公開~資金使途
新規発行により調達した資金は、研究開発費、本社移転費用、マーケティング、インフラソリューションラボ、事業拡大の為の人材採用費用、老地区化した基幹システム、サーバ、ストレージの更新費用に充てる計画になっている。
成長性の基礎となる研究開発とは、既存のPCにUSBを差し込むことにより、PCをシンクライアント端末として仮想環境へ接続することが可能となるUSBシンクライアント「Resalio Lynx」のバージョンアップや、小型PC20台分の機能を搭載した仮想デスクトップ専用サーバ「リモートPCアレイ」の後継機などの研究開発費用に充てる計画。
SBI証券が主幹事のIPO初値パフォーマンス
コード | 銘柄 | 公開価格 | 初値 | 上場来高値 | 初値騰落率 | 公開規模 | 上場日 |
3565 | アセンテック | 2,000 | 9億200万円 | 4月25日 | |||
6175 | ネットマーケティング | 1,140 | 1,552 | 1,667 | 36.0% | 12億6000万円 | 3月31日 |
3562 | No.1 | 1,570 | 3,460 | 4,135 | 2.2倍 | 8億円 | 3月28日 |
3559 | ピーバンドットコム | 1,650 | 3,530 | 3,640 | 2.14倍 | 14億2000万円 | 3月9日 |
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2017年に新規上場したIPOでSBI証券が主幹事だった案件は、ピーバンドットコム、No.1、ネットマーケティング、アセンテックの4社。ネットマーケティングはロックアップ解除が公開価格の1.5倍であったこと、ベンチャーキャピタルの放出株が多かったことで投資家に「出口上場(EXIT上場)」と印象が悪かったのが初値パフォーマンスが低かった理由。
ピーバンドットコム、No.1ともに公開価格の2倍を超える高い初値騰落率となっている。IPO投資情報関係者の間ではネット証券のSBI証券が主幹事だと初値パフォーマンスが良いという統計が出ている。(2016年からのデータでは同証券が主幹事を務めたIPO初値は公開価格を90%近く上回っている。)
アセンテック業績、セカンダリー投資
新規公開株で気を付けたいのは赤字企業だが将来性を・・というシナリオ。特にバイオベンチャーに多いケースだが最初は良いが、上場後しばらくすると株価が初値を下回り、さらには公開価格を下回り、こんなはずじゃなかった!というIPOに投資家は泣かされたりする。
業績は前期から黒字転換予想、第三四半期で売上高、経常利益とも伸びており「黒字企業」という最低条件は満たされており、クラウド型ストレージなど需要が伸びているので問題は無さそう。セカンダリー投資は連休前に手仕舞うスタンスで構えたい、北朝鮮リスクが不透明な中でゴールデンウィーク連休に株を持越しする投資家は少ないと考える、多くの投資家がキャッシュポジションを高めにすると想定されるために深追い禁止が賢明。
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