2021年度後半の株式見通しと保有すべき13銘柄
クレディ・スイス証券による2021年度後半の見通しでは、新型コロナウイルスのワクチン接種率の上昇を受けた経済正常化が大きなテーマになると指摘。
首相交代と衆議院議員選挙が予定されていることから、新政権による政策の変化にも注目が高まるとみて、デジタル化・脱炭素化社会の推進、コーポレートガバナンスの進展は、新政権の発足後も注目点になると解説。
2021年度下期に保有すべき銘柄として、クレディスイス証券アナリストはトヨタ自動車、デンソー、ソニーグループ、ルネサスエレクトロニクスなど13銘柄をピックアップして紹介している。
2021年度下期に保有すべき銘柄
- トヨタ自動車(7203)
- デンソー(6902)
- キーエンス(6861)
- ソニーグループ(6758)
- ローム(6963)
- 日本電子(6951)
- ルネサスエレクトロニクス(6723)
- 日本ユニシス(8056)
- 中外製薬(4519)
- 森永乳業(2264)
- サイバーエージェント(4751)
- 三井住友フィナンシャルグループ(8316)
- セブン&アイホールディングス(3382)
ITサービス・ソフトウェアセクター
- 日鉄ソリューションズ(2327)
- インターネットイニシアティブ(3774)
- NTTデータ(9613)
- 日本ユニシス(8056)
クレディスイス証券アナリストによる情報通信セクターのレポートでは、ITサービス・ソフトウェアセクターの2021年7~9月期累計営業利益は前年同期比23%増の1739億円と予想。
多くの会社が会社計画を上回る進捗になるとみて、前期同様に製造業や金融などのシステム開発の増加がけん引、COVID-19影響を大きく受けたサービス業などのIT投資需要に回復の兆しが見えるかが焦点になると解説。
個別では、会社計画に対して上振れ進捗を見込む日鉄ソリューションズ(2327)、インターネットイニシアティブ(3774)、NTTデータ(9613)に注目。第2Q決算後に向けては、非製造業向けIT投資の回復で評価改善を見込む日本ユニシス(8056)に注目しています。
生保株・損保株の推奨銘柄
- 第一生命ホールディングス(8750)
- T&Dホールディングス(8795)
- 東京海上ホールディングス(8766)
モルガンスタンレー保険セクターのレポートでは、年末に向け米金利の上昇見通しと財政刺激策に絡んだ増発期待により、円金利のベアスティープニング(短期金利上昇を長期金利上昇が上回り、金利差が拡大)圧力がかかりやすいと指摘。
金敏感株にとってはポジティブな金融環境を想定し、生命保険株は当面は金利上昇によるEV成長期待に加え、評価倍率回復による上昇余地が期待できるとの見方で、中長期的には生保各社が現在取り組んでいる市場リスク削減の効果などが資本コスト低下に繋がり、評価倍率の回復・安定をもたらす可能性が高いと予想。
保険業界投資判断を「インライン」から「アトラクティブ」に引き上げ。個別では、第一生命ホールディングス(8750)、T&Dホールディングス(8795)、東京海上ホールディングス(8766)を推奨しています。
カーボンニュートラル関連銘柄
- 東ソー(4042)
- 信越化学工業(4063)
- AGC(5201)
野村證券アナリストによる塩ビ業界のレポートでは、石油化学製品の中でも塩ビ樹脂の需給は改善しやすいと指摘。
2060年に向けてカーボンニュートラルを目指す中国政府の方針による電力供給抑制強化で、特にGHG排出量が多いアセチレン・カーバイド法の塩ビ生産が減少、中国の塩ビ樹脂価格が上昇していることが確認できたと報告。
アジアやアメリカでも、資本集約型の塩ビ樹脂能力増強計画は限定的で、中期的にも塩ビ樹脂の高採算が持続する可能性が高いと解説。東ソー(4042)や信越化学(4063)、AGC(5201)(といったエチレン法塩ビメーカーの業績は好調持続が期待できると予想しています。
日経平均株価予想チャートの見方
みずほ証券テクニカル分析レポートでは、海外投資家が大幅な買い越しから売り越しに転じ、裁定売り残がほぼ消滅、裁定買い残が今年のピーク水準にあり、信用買い残は今年のピークからさほど減少していないと指摘。
海外投資家の買い戻しが一巡したことから今後は米国株の影響を大きく受けるとみて、今週前半に自律反発した後は米国株安を受け反落し、10月中旬頃まで下値模索になり日経平均は28000円、TOPIXは1950ポイントを下回ると解説。
10月の株式見通しと中長期参考銘柄
10月後半は米国株と共に反発するも、年初来高値更新は叶わず右肩下がりになるとみて、中間決算は好材料出尽くし先行き不透明感で反落する可能性が高いと想定。年末から年明けにかけて、9月高値から10~15%前後下落すると予想しています。
東海東京証券による今月の見通しでは、10月は新政権の下で政策を反映した物色が活発化すると指摘。日米で決算発表シーズンに入る中、上方修正が相次ぐなど企業業績の改善が確認されれば、年末高への期待を一層と高めそうと解説。
中長期参考銘柄として、日本M&Aセンター(2127)、エムスリー(2413)、東レ(3402)、伊藤忠テクノソリューションズ(4739)、小松製作所(6301)、ダイフク(6383)、日立製作所(6501)、日本電産(6594)、ソニーグループ(6758)、インソース(6200)を取りあげている。
さらに中小型の注目銘柄として、NECネッツエスアイ(1973)、森永乳業(2264)、コメ兵ホールディングス(2780)、ユーザーベース(3966)、DIC(4631)、ユーピーアール(7065)、トランスコスモス(9715)を取りあげています。
中小型株の参考銘柄
- NECネッツエスアイ(1973)
- 森永乳業(2264)
- コメ兵ホールディングス(2780)
- ユーザーベース(3966)
- DIC(4631)
- ユーピーアール(7065)
- トランスコスモス(9715)
総裁選挙後の日経平均株価は3万2000円まで上昇予想
SMBC日興証券テクニカル分析レポートでは、株式、債券、コモディティなど「全部高」の状況が続いた海外市場は、当分調整圧力が強まる公算が大きいと指摘。
日本市場もある程度、影響が生じるとしながらも、半年間、先行して調整が進んだ日本株は相対的には腰の強い動きとなる公算が大きく、海外発の嵐が沈静化し始めるとともに、日本株上昇と円安の勢いは一段と強まると解説。
今後の日経平均株価は海外市場の不安定さから11月頃まで押し戻される可能性があるもののの、年末には32000円まで上昇すると予想しています。
証券ジャパン参考銘柄5選
証券ジャパンによる株式相場見通しでは、今週の日本株は米国株を始めとした海外株の調整度合いとサプライチェーン問題の行方を見極めながら、やや不安定な相場が続きそうと指摘。
イエレン財務長官は先週、 10月18日までに手元資金が枯渇し史上初めてのデフォルト危機が訪れる可能性を指摘し、上院共和党の反対から未解決のままとなっていることに着目。
影響の大きさからXデーを迎えるとは到底思えないとしながらも、危険な政治的駆け引きに注意が必要と解説。
参考銘柄として、バンダイナムコホールディングス(7832)、カオナビ(4435)、三菱ケミカルホールディングス(4188)、ルネサスエレクトロニクス(6723)、ジェイアール東海(9022)を紹介しています。
- バンダイナムコホールディングス(7832)
- カオナビ(4435)
- 三菱ケミカルホールディングス(4188)
- ルネサスエレクトロニクス(6723)
- ジェイアール東海(9022)
立花証券参考銘柄-求人サイト人材派遣関連
立花証券アナリスト作成の短期人材市場関連レポートでは、緊急事態宣言の解除によりパート・アルバイトの求人が急増すると指摘。
需給ひっ迫と労働需給の流動化で採用は一気に困難になるとみて、パート・アルバイト労働者の採用は中長期的にひっ迫、求人サイトや短期人材紹介などに恩恵があると解説。
参考銘柄として、ディップ(2379)、じげん(3679)、フルキャスト(4848)、リブセンス(6054)、キャリアインデックス(6538)、ツナググループ・ホールディングス(6551)を紹介しています。
人材サービス関連企業の参考銘柄
- ディップ(2379)
- じげん(3679)
- フルキャスト(4848)
- リブセンス(6054)
- キャリアインデックス(6538)
- ツナググループ・ホールディングス(6551)
携帯電話料金・インターネット料金値下げ
モルガンスタンレー証券通信セクターのアナリストレポートでは、料金値下げは実行されたばかりで、ARPU下落は2年程度続くと指摘。
新内閣の影響として、過去12か月の競争促進政策は継続される可能性が高く、現在の競争促進政策に変化がおこるとは考えにくいと解説。
通信業界投資判断「コーシャス」を継続。個別では、グループ全体で利益を安定化でき、中期経営計画の更新も間近なNTT(6432)をトップピック推奨しています。
中国電力不足、中国不動産市場の混乱が鉄鋼価格へ
野村證券アナリストレポート鉄鋼セクターでは、足元で原料炭価格上昇、中国不動産市場の不安定な状況、電力不足、世界的な自動車減産などの不透明要因があり、東南アジアや欧州の一部地域で鋼材価格も緩やかに下落していると指摘。
リスク要因が多くなっている点には留意が必要としながらも、中国の鉄鋼減産が強化、今後も継続される見通しとなっていることや、米国で鋼材需給がタイトな状況が続いていることなどから、JFEホールディングス(5411)など高炉の高水準輸出スプレッドは確保できると解説。
普通鋼電炉は鉄屑価格が安定しているため、、米国でのスプレッド拡大が進む大和工業(5444)を推奨。特殊鋼は自動車減産の影響が下振れ要因となる可能性があるものの、ごく短期の数量調整になると予想しています。
- JFEホールディングス(5411)
- 大和工業(5444)
10月のターゲットリスト「リオープニング銘柄を中心に選定」
SMBC日興証券による株式見通しでは、中国恒大集団問題など海外の懸念事項は山積みのため、当面の日本株は横ばいまたは軟化すると指摘。
11月以降は昨年に類似するとみて、年末に向けた株高を想定。中間決算前後から来期業績が意識されるとみて、今期業績が良くとも来期に鈍化すると予想される銘柄に利益確定売りが生じ、代わりに今期業績が悪くても来期に回復すると見込まれる銘柄の一部が選好される展開を予想。
10月のターゲットリストには、来期業績の回復を想定できる銘柄、構造改革銘柄、リオープニング銘柄を中心に選定し、住友林業(1911)、パーソルホールディングス(2181)、電通グループ(4324)、武田薬品工業(4502)、UACJ(5741)、NEC(6701)、デンソー(6902)、JR東海(9022)、コナミホールディングス(9766)を新規採用しています。
SMBC日興証券10月のターゲットリスト
- 荏原製作所(6361)
- 住友林業(1911)
- パーソルホールディングス(2181)
- 電通グループ(4324)
- 武田薬品工業(4502)
- UACJ(5741)
- NEC(6701)
- デンソー(6902)
- JR東海(9022)
- コナミホールディングス(9766)
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選挙後の日本株式市場見通し
東海東京証券(東海東京調査センター)による政治経済見通しでは、昨年12月策定の40兆円景気対策は執行遅延のため10兆円効果と書き換える一方、今回は給付金、寄付金が多く執行される公算が高いと指摘。
秋から30兆円の補正予算を織り込むとみて、補正予算拡大局面で株高が起きているケースが見受けられるため、今回も経済対策を背景に日経平均株価は上昇する可能性が高いと解説。
選挙後半年程度は株高トレンドが継続すると予想。日経平均はザラ場で8月20日から9月14日までの上昇幅のフィボナッチ比率38.2%調整を完了したため、「上昇2波動目に入った可能性が高い」との見解を示しています。
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