今後の株価見通し銀行株、半導体株、海運株、日銀マイナス金利解除アナリスト注目ポイント

証券アナリスト日本株投資に強気か慎重か 日本株投資戦略
証券アナリスト日本株投資に強気か慎重か

証券アナリストの日本投資に今後も強気か慎重か?

日本の金融市場は、みずほ証券が示唆する銀行セクターの堅調な本業利益やSMBC日興証券が予測する半導体セクターの短期リスクの解消、モルガンスタンレー証券が警告する海運セクターの需給悪化リスク、そして東海東京証券が示唆する日銀の金融政策の微修正という、さまざまな要因によって動かされています。

これらの分析を踏まえ、投資家は日本株に強気で臨むべきか、それとも慎重な姿勢を保つべきか、今後の市場の動向を見極める上で重要な判断を迫られています。

銀行株の今後

特に銀行株に関しては、外債・円債のロスカットやクレジットコストの予防的な積み増しにも関わらず、預貸金利益や手数料収益の増加が見込まれており、2025年3月期の増益ガイダンスや株主還元の発表が期待されています。

半導体株の今後

一方で、半導体株は、生成AIへの投資が継続しているものの、全体としての需要は強くないとの見方が示されており、市場の焦点は来期以降の動向に移っていることから、短期的な株価の腰折れリスクは小さくなっているとの分析があります。

海運株の今後

海運株については、中東の地政学リスクによるコンテナ船スポット運賃の上昇期待や業績改善期待が株価に織り込まれているものの、新造船供給圧力による需給悪化のリスクが十分に織り込まれていないとの指摘があり、業界投資判断は慎重な姿勢が続いています。

日銀マイナス金利解除と日本株見通し

さらに、日銀の金利政策に関しては、日銀マイナス金利解除を前提にした発言が相次いでいるものの、内需に不安が残る現状では、解除後の継続的な利上げの必要性は小さいとの見方が示されており、金融緩和の修正が微修正に留まることを前提に、日本株への強気スタンスを継続するべきだとのアドバイスがあります。

これらの分析を総合すると、投資家は大型株の保有を継続しつつ、内需株やディフェンシブ銘柄への分散投資を行うことで、市場の変動に対する耐性を高める戦略が求められていると言えるでしょう。

ゴールドマンサックス証券アナリストレポート

半導体製造装置セクターのアナリストレポートでは、HBM(広帯域幅メモリ)/CoWoS(高性能ロジック半導体とHBM接続するためのパッケージ技術)ともに、後工程のプロセス数が増えることもあり、後工程装置メーカー(ディスコ、東京精密、アドバンテスト)への恩恵が大きいと指摘。

前工程装置メーカーの中でもHBM・CoWoS向け向けで必要な装置を手掛けている東京エレク、レーザーテック、SCREENホールディングス、アルバックは一定の売上押し上げ効果があると考え、Kokusai、HOYA、日本電子は直接的な恩恵が限定的と解説。個別では、市場コンセンサスを上回る業績創出が期待できるディスコ、東京エレクトロン、アルバックの買い推奨を継続しています。

野村證券アナリストレポート

ヘルスケアセクターのアナリストレポートでは、6年に一度、診療報酬改定(2年毎)、介護報酬改定(3年毎)、障害福祉報酬改定(3年毎)が同時に実施されるトリプル改定は、医療・介護・福祉の連携、DX推進、報酬適正化を促す内容と指摘。

賃上げやタスクシフトはメドレー、エス・エム・エスなど人材関連に追い風、DX・業務外注の促進はメドレー、シップヘルスケアホールディングスの業績拡大を後押するとみて、障害者の就労支援等評価充実はLITALICOの業容拡大につながると解説。

敷地内薬局への厳しい減算はアインホールディングスに不利も、集患力や多様な出店形態で克服、医療介護施設の同一建物減算はアンビスホールディングスにリスクも、旺盛な出店と高稼働で克服、持続的な成長路線に変わりはないと予想しています。

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ジェフリーズ証券アナリストレポート

海運セクターのアナリストレポートでは、日本郵船、商船三井、川崎汽船が設立したONE(Ocean Network Express)が、世界第5位のコンテナ会社になる可能性やバリューチェーンへのさらなる投資など30 年度の新中期戦略を発表したことを受け、30億ドルの特別配当と3年間の分散配当は予想を下回ったと指摘。

長期的なROE 10%、2030年度までに38億ドルの純利益目標は保守的と考え、コンテナ海運に対する弱気な見方を継続。コンテナ運賃がピークに達し、下落が続くと予想されることから、日本郵船、商船三井、川崎汽船のレーティング「アンダーパフォーム」を継続しています。

野村證券アナリストレポート

銀行セクターのアナリストレポートでは、日本銀行がマイナス金利撤廃等の金融政策の枠組み見直しを公表したことを受け、事前の新聞報道に照らして大きなサプライズはなく、銀行株に関する強気の投資判断にも変更はないと指摘。

過去1年間銀行株が強含みで推移してきたこともあり、材料出尽くしとの見方から一旦は短期的に株価調整局面に入る可能性が高いと想定。

それでも、改善基調の銀行業績にマイナス金利撤廃の効果が遅行的に重なること、さらなる株主還元強化につながりえること、年後半以降は追加利上げへの期待感が高まる可能性があることから、2024年通年で銀行株はTOPIXに対してアウトパフォームすると予想しています。

大和証券アナリストレポート

大和証券におよる見通しでは、2024年春闘で、連合の初回集計で正社員賃上げ率は平均5.28%と、2023年同時期の3.8%を大きく上回ったことを受け、賃上げが浸透する4~6月期には実質賃金のプラス転換も想定され、日本経済の成長要因に消費回復が加わると指摘。

金利上昇ペースによって、株価は一時的に上値を抑えられる可能性があるものの、日米間の予想PER格差は大きく、米株に対する出遅れ感を縮めることを焦点に外国人投資家が日本株への買いを強める展開が継続すると解説。注目銘柄として、2024年度薬価改定の影響が小さいサワイグループホールディングス、ホテル事業の好調が続く共立メンテナンスを紹介しています。

UBS証券アナリストレポート

ゲームセクターのアナリストレポートでは、今年の4大テーマはコンソール/PCパイプラインサイクル、モバイルゲーム競争、コスト最適化、収益多角化と指摘。

国内成長が鈍化している日本ゲーム企業にとって海外エクスポージャーの高さはポジティブとしながらも、短期的には為替変動のリスクに注意が必要とみて、コナミとサイバーエージェントは同リスクへのエクスポージャーが最も低く、スクウェアエニックス、任天堂、バンダイナムコは円高状況で営業利益にネガティブであるという点で対極に位置していると解説。

個別選好順位は、バンダイナムコをトップピックに、コナミ>サイバーエージェント>スクウェアエニックス>カプコン>任天堂の順に設定しています。

野村證券アナリストレポート

銀行株の今後

銀行株の今後

銀行セクターのアナリストレポートでは、日銀のマイナス金利政策解除の可能性が高まったと指摘。3月15日に発表された春闘一次集計における賃上げ率が高いものであったこと、日本銀行がマイナス金利解除を検討するとの報道が相次ぐ中、それら報道への政官財界・マスコミの反応が否定的でなかったことから、日銀当局として説明責任を果たせると考えた可能性があると解説。

今後の銀行株価の見通しとして、マイナス金利解除の決定が公表されれば、一旦は材料出尽くしと捉えられ、数カ月程度の調整局面入りを予想しています。

モルガンスタンレー証券アナリストレポート

飲料業界のアナリストレポートでは、他の食品との比較で、ビール・清涼飲料などの大型銘柄は、安定的な業績成長の見通しに対して割安感があると指摘。

2025年度以降は、コスト高の逆風が減退、これまでの自助努力の成果がより表面化することで、各社業績成長率が再加速する可能性が高いとみて、再評価機運は高まると予想。

業界投資判断を「アトラクティブ」に、個別選好順位を、サントリーBF>アサヒ>キリンHD>コカコーラの順に設定しています。

東海東京証券アナリストレポート

東海東京証券の見通しでは、日銀関係者からマイナス金利解除を前提にしている発言が相次いでいることを受け、内需に不安が残る現状ではマイナス金利を解除した後の継続利上げの必要性は小さいと指摘。

現状では、日銀の金融緩和修正が微修正に留まることを前提に、日本株への強気スタンスを継続するべきとして、物色面では、グローバル経済の成長を取り込むことができる大型株の保有を継続しながら、内需株やディフェンシブ銘柄へ分散を効かせることが重要と解説。

日経平均株価の調整局面で下落耐性が期待できる銘柄として、JR西日本、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ニコン、日本製紙、三越伊勢丹、ENEOSホールディングス、双日、千葉銀行、京王電鉄、日清製粉、住友電工、味の素、オリンパス、JR東日本、東京電力ホールディングス、中部電力、東武鉄道、リコー、コンコルディア・フィナンシャルグループ、DOWAホールディングスを紹介しています。

証券ジャパンアナリストレポート

日銀ゼロ金利解除株式投資分析

日銀ゼロ金利解除株式投資分析

証券ジャパン見通しでは、日銀金融政策決定会合やFOMCなど重要イベントが通過すれば、3月期末の権利取り狙いから好利回り銘柄、東証要請に対応する低バリュー銘柄、主力株が賑わい、週後半から来週にかけて日経平均は再び高値を目指すと予想。

半導体関連株は日柄調整が必要なものの、先週までで値幅調整が概ね進んだとみて、押し目買いのタイミングが近そうと解説。

物色は、高水準の賃上げ実現による実質賃金改善から小売、食品、サービスなどの消費関連銘柄、経済の好循環から建設、不動産、金融などが新たなテーマになると予想。参考銘柄として、JR西日本、日本電気硝子、ABCマート、パンパシフィックインターナショナルを紹介しています。

野村證券アナリストレポート

海運セクターのアナリストレポートでは、スエズ運河から喜望峰経由へ航路が変更された状況が定着、イスラエル、ハマスとの衝突はまだ収束が見えていないと指摘。

2024年後半から運航が正常化するとの見方を継続し、直近のスポット運賃が12月から2倍以上上昇していることから、契約運賃の上昇により3社が出資するONEの増益を予想。

個別銘柄は、割安な日本郵船と商船三井の買い推奨を継続しています。

SMBC日興証券アナリストレポート

医療デバイス業界のアナリストレポートでは、個別のカタリスト、地域別の需要、製品シェアの変動状況を意識したいと指摘。ヘマトロジー新製品、血液凝固のアライアンス効果の発現により米州市場シェアが上がる可能性でシスメックス、米国でのハンドピース市場シェアの拡大とデンタルチェアのボトムアウト期待からナカニシ、米国のPCI市場シェア拡大と非循環器製品の本格展開から朝日インテックを推奨し、選好順位をシスメックス>ナカニシ>朝日インテック>マニー>テルモ>島津製作所>日本光電>オリンパス>浜松ホトニクス>トプコン>PHC>サイバーダインの順に設定。業種格付けは「強気」を継続しています。

ジェフリーズ証券アナリストレポート

金属セクターのアナリストレポートでは、中国の銅製錬会社が共同で減産に合意したとのニュースで銅価格が上昇したことを受け、製錬所に残るリスクを考慮すると、「上昇の持続性に疑問が残る」と指摘。

今後は、亜鉛上昇の可能性があることに留意し、個別銘柄では三井金属鉱山を選好。三菱マテリアルは目先の収益リスクが残るものの、銅企業として注目。

住友金属鉱山は特有の苦境が深刻化し、引き続き注意が必要。DOWAホールディングスは緩やかで着実な業績だが、興奮することはほとんどないとコメントしています。

大和証券証券アナリストレポート

石油セクターのアナリストレポートでは、主要各社の配当利回りは電力やガスと比べて高水準と指摘。今後数年単位では、環境の変化が意識され、各社から資産効率向上に向けた非連続の施策が提示されることで、現状のサブセクター間の評価差は縮小に向かう可能性があると解説。

個別銘柄では、配当利回りの高さからコスモエネルギーホールディングスを選好。追加還元の可能性は、出光興産、INPEX、ENEOSホールディングスの順に発表時期が近いと予想しています。

岡三証券アナリストレポート

日本株見通しでは足元で日経平均先物買いに一服感が見られ、株価指数が強く上昇する局面は一巡、ボックス相場に入ると指摘。

大口投資家の日本株買いが季節性から弱まる可能性にも留意が必要とみて、事業法人は3月本決算企業の自社株買いが手控えられる時期に入ることに加え、ラマダン入りにより中東産油国の日本株買いも抑制される可能性があると想定。

大型株の上昇一服で中小型株がキャッチアップする展開を見込み、米国の利下げ転換を控え、ドル安円高圧力が掛かると考え内需関連株に安心感があると予想。セクターでは、建設、鉄道、素材に注目しています。

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モルガンスタンレー証券アナリストレポート

海運セクター見通しアナリストレポートでは、中東の地政学リスクを主因としたコンテナ船スポット運賃の上昇期待→海運業界の業績改善期待→株主還元の強化への期待など、好材料は株価に織り込まれたと指摘。

新造船供給圧力を主因とするコンテナ船業界の需給悪化の継続リスクは株価に十分織り込まれていないとみて、船腹稼働率との連動性が高い相対PBRは、過去最高益更新を達成したコロナ禍並みの水準にまで上昇し、割高感が強いと解説。

業界投資判断「コーシャス」と、日本郵船、商船三井、川崎汽船の「アンダーウエイト」を継続しています。

大和証券証券アナリストレポート

生命保険セクターのアナリストレポートでは、日銀の金融引き締めが意識される場合、生保株の評価余地は大きいと指摘。

総還元利回りの相対的な魅力が増している中、大幅増配など株主還元策の発表も材料視されるとみて、セクター投資判断「強気」を継続。

個別銘柄では、次期中計での配当方針や利益見通しが期待できる第一生命と、ESRが目標上限を超過し、総還元利回りの魅力が拡大しているT&Dホールディングスの買い推奨を継続しています。

SMBC日興証券アナリストレポート

半導体株の今後

半導体株の今後

半導体・半導体製造装置セクターのアナリストレポートでは、生成AIに関する投資は継続しているものの、それ以外の半導体需要自体は決して強くないと指摘。

株式市場の焦点は来期以降を既に織り込んできている状況から、短期的な株価の腰折れリスクは小さくなってきているとみて、TSMCの短期リスクも解消されたと解説。

個別銘柄は、東京エレクトロンをトップピックに、KOKUSAI>レーザーテック>SCREENの順で選好しています。

みずほ証券アナリストレポート

銀行株セクターのアナリストレポートでは、4Q決算は外債・円債ロスカットやクレジットコストの予防的な積み増しなどが行われるものの、預貸金利益や手数料収益の増加といったコアの本業利益が堅調に推移すると指摘。

2025年3月期増益ガイダンスや株主還元発表が期待されることに加え、日本銀行の金融政策変更期待が株価を下支えする展開を想定し、良好な株価パフォーマンスが継続すると予想。

銀行セクターの投資判断「強気」を継続。個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友トラスト、三井住友フィナンシャルグループ、コンコルディア・フィナンシャルグループ、千葉銀行、ふくおかFフィナンシャルグループ、セブン銀行、楽天銀行を推奨しています。

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