ウェーブロックHD初値予想
4月10日、東証二部市場に新規上場するウェーブロックホールディングス初値予想は厳しい初値となりそうだ。IPO投資情報関係者によるウェーブロック初値予想コンセンサスは公開価格750円を意識した水準か、公開価格割れとの意見が多い。
- 再上場IPO
- 東証二部市場
- 公開規模45億円
- 目論見書では想定売出し価格840円
- 公開価格750円(想定売出し価格を下回る)
- 仮条件720円~750円
- 売出株放出元が投資ファンドの保有株が大半
- 出口案件(EXIT上場)との見方
再上場案件は初値が公開価格を下回るケースが今年はマクロミル(3978)とスシローグローバルホールディングス(3563)であった。どちらも公開規模が数百億円と巨大だったことで大型IPOなことから株価が重たいところに、投資ファンドの投資資金回収方法に「出口上場」という手法が投資家に敬遠された。ウェーブロックホールディングスは公開規模が45億円、東証二部市場で人気が盛り上がりにくいところに、売出株放出元がエムシーピースリー投資事業有限責任組合という投資ファンド、かつて2009年にTOB(株式公開買付)によって非上場化したときの資金回収に保有株売出しとみられる。
公開価格は仮条件720円~750円の上限で決まり通常通りに見えるが、ウェーブロックホールディングス目論見書によると「想定売出し価格840円」となっていたが、実際の売出し価格は750円になった。エムシーピースリー投資事業有限責任組合は投資回収金額の予定が外れたことになる。市場筋によるとブックビルディングも低調だった様子、4月は3月のIPOラッシュに比べて案件が少ないためにじっくりと銘柄選別して投資する時間がありそうだ。
参考ウェーブロックホールディングス目論見書
参考エフィッシモ・キャピタル・マネジメント保有銘柄17社リスト
参考スタンダードコースで配信されるサービス内容
ウェーブロックホールディングス企業沿革
年月 | 事項 |
昭和39年6月 | イタリアT.C.M.社のブルーノ・ロマーニン氏より糸強化プラスチックシートに関する特許”ウェーブロック”技術を導入するために、日商(株)(現 双日(株))、日本カーバイド工業(株)、丸登化成工業(株)(現 龍田化学(株))の3社が均等出資し資本金6千万円の日本ウェーブロック(株)(現 当社)を設立(本社:東京都千代田区神田神保町、工場:茨城県猿島郡総和町(現、茨城県古河市)) |
昭和40年2月 | ウェーブロック製品の生産、産業資材、農業資材分野に販売を開始 |
昭和54年11月 | インテリア事業として壁紙業界に参入、塩化ビニル壁紙原反の生産、販売を開始 |
昭和55年6月 | 金属蒸着ポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム、塩ビフィルム等の多層ラミネートシートの生産を開始。車両及び家電向けに光輝テープの販売を開始 |
昭和62年9月 | 真空成型で食品容器を作るための巻物シート「パディオ」の生産、販売を開始し、包材分野に参入 |
平成2年10月 | 日本証券業協会に店頭売買銘柄として登録、当社株式を公開 |
平成3年9月 | 岩手県一関市東台に一関工場(現一関事業所)を竣工し、コーティング設備を新設。産業資材分野に建築工事用メッシュシートの生産、販売を開始 |
平成7年8月 | インテリア事業において、壁紙最終製品市場に参入するためチバグラビヤ(株)(現サクラポリマー(株))に資本参加し、同社より工場、生産設備、営業権を取得(平成10年7月、同社を完全子会社化) |
平成8年12月 | 東京証券取引所市場第二部に上場 |
平成15年12月 | 公開買付けにより、ダイオ化成(株)(当時、東証市場第二部上場)の発行済株式の50.1%を取得し、同社を連結子会社化。編織事業の開始 |
平成17年4月 | 商号をウェーブロックホールディングス(株)に変更、新設会社の日本ウェーブロック(株)に事業の全てを承継し、純粋持株会社化。同時に株式交換によりダイオ化成(株)を完全子会社化 |
平成18年4月 | インテリア事業の基盤強化のため、ヤマト化学工業(株)(現(株)ウェーブロックインテリア)の発行済株式の60.0%を取得し、同社を連結子会社化(平成19年5月、同社を完全子会社化) |
平成18年4月 | 完全子会社として(株)シャインテクノを設立。高機能多層シートを、自動車や家電分野のディスプレイならびに筐体用に生産、販売を開始 |
平成20年4月 | インテリア事業の更なる強化のため、ヤマト化学工業(株)を(株)ウェーブロックインテリアに商号変更の上、インテリア事業の統括管理運営会社とし、サクラポリマー(株)と新設したヤマト化学工業(株)を同社の子会社化 |
平成21年3月 | 買収目的会社として設立されたウェーブロックインベストメント(株)による当社株式等の公開買付けが成立し、同社が当社普通株式の91.7%を保有する筆頭株主となる。同年7月東京証券取引所上場廃止 |
平成21年10月 | 親会社であるウェーブロックインベストメント(株)を当社が吸収合併 |
平成22年4月 | 日本ウェーブロック(株)から新設会社(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーに、金属調加飾シート分野などの一部事業、ならびに機能性樹脂シート分野の子会社(株)シャインテクノの株式などを承継し、アドバンストテクノロジー事業の中核子会社とする |
平成24年3月 | アドバンストテクノロジー事業の強化のため、韓国において、各種電子材料、プラスチック製品等の販売を行うWavelock Korea Co.,Ltd.を(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーの子会社として設立 |
平成24年4月 | アドバンストテクノロジー事業の強化のため、穎台科技股份有限公司(英語社名:Entire Technology Co.,Ltd.)と業務資本提携し、製造・開発・販売の相互協力、及び株式の保有について合意 |
平成24年6月 | 編織事業の製造機能強化のため、中国において、ダイオ化成(株)が普通株式の93.4%を保有する合弁会社大連嘉欧農業科技有限公司を設立 |
平成24年7月 | 編織事業の物流、貿易機能の強化のため、ダイオ化成(株)が中国の威海精誠物流有限公司の株式49.0%を取得 |
平成25年3月 | グループのアジア地域における商社機能の強化のため、(株)ウェーブロックインテリアの子会社として、香港にWavelock International Asia Co.,Ltd.を設立 |
平成25年4月 | 産業資材・包材事業の更なる強化のため、日本ウェーブロック(株)を製販分離、その販売部門とダイオ化成(株)の産業資材営業部門を(株)イノベックス(平成25年2月設立)に統合 |
平成27年10月 | インテリア事業のバリューチェーン上の効率化や更なる品質向上、新たな製品開発等を目指すため、(株)サンゲツと業務資本提携。同社が当社株式の22.2%を保有し、当社は同社の持分法適用関連会社に |
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