ドイツ銀行株価急落、欧州金融危機への警戒
週末からドイツ銀行株の急落が市場関係者を賑わせている。米司法省がドイツ銀行に対して140億ドル(約1兆4300億円)の和解金を要求された事から、市場はドイツ銀行が再び経営難になるのではないかと警戒が高まった。ドイツ銀行株は週末8%超の急落となり他の銀行株も連鎖的に売られたことで地合いを悪くした。
米司法省はリーマンショック前の2005年~2007年に、ドイツ銀行が住宅ローン担保証券(RMBS)を不正な方法で販売していた行為を追及している。米シティグループは2014年に和解金を支払った経緯がある。
ドイツ銀行 株価チャート https://www.bloomberg.co.jp/quote/DBK:GR
かつては欧州最強の銀行と呼ばれたドイツ銀行は昨年高値33.4ユーロから今年8月3日安値11ユーロまで下落 。リーマンショック以来の赤字となり、ドイツ銀行株価チャートは2015年チャイナショック、ギリシャ問題から株価下落速度が加速している。
アメリカ経済系マスメディアでは、ドイツ銀行の他にもバークレイズ、クレディ・スイス、UBSなども、住宅ローン担保証券(RMBS)を不正な方法で販売した対象になっているという。今後、米当局が強硬な姿勢で欧州金融機関に追求すれば弱体した銀行が破綻に追い込まれるところが出てくるかもしれない。
ECB金融緩和による2014年からのマイナス金利政策は銀行の経営体質を揺るがせている、本業で利益が稼げないために投資リターンを増やす。ところが近年の株式、債券、為替市場は波乱が続き投資銀行が損失を出している。ドイツ屈指の企業、フォルクス・ワーゲンは排気ガス不正問題が発覚した2015年9月に株価急落して銀行が保有する株価の損失を招く原因となった。
折しも9月は日銀金融政策決定会合で「総括的検証」、マイナス金利の深掘りか量的金融緩和になるか、現状維持となるか注目されている。証券アナリストはマイナス金利の深掘りだけで、その他のフォロー策を取らない場合日本の銀行株は厳しい下落になる予想が多い。欧州銀行株はECBによるマイナス金利政策で軒並み急落した事例を考慮すれば日銀は銀行に優しい金融政策を舵取りする必要があると市場関係者から悲鳴が挙がっている。
【参考記事】ドイツ銀行破綻の懸念が世界の銀行株安へ
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世界最古、イタリアの銀行 モンテパスキ銀行が年初来安値
モンテパスキ銀行 株価チャート https://www.bloomberg.co.jp/quote/BMPS:IM
ドイツ銀行が急落は世界中の金融株式関係者の注目ニュースとなった。さらに深刻な問題なのは、創業1472年、イタリア第3位の大手銀行で現存する世界最古の歴史がある銀行。モンテ・ディ・パスキ・ディ・シエナ銀行が年初来安値を更新している。
多額の不良債権により7月に健全化策を発表、不良債権を証券化して売却して国内外の銀行に50億ユーロ(5700億円)の第三者割当増資にて資本増強を発表した。しかし株価は下げ止まらず9月20日のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行の株価は0.19ユーロと、もう下げ幅がわずかしか限られていない究極な状態となっている。
モンテパスキ銀行は9月14日にマッシモ・トノニ会長が辞任して、バンク・オブ・アメリカ(BofA)でイタリア部門の責任者を務めていたマルコ・モレリ氏をCEOにする人事を発表している。
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[…] ドイツ銀行株急落は欧州金融危機、モンテパスキ銀行は年初来安値更新 […]
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[…] ドイツ銀行株急落は欧州金融危機、モンテパスキ銀行は年初来安値更新 […]