トランプリスクが減り、日銀ETF買入れがTOPIX型に変更で中小型株にメリット
【野村證券】
化学・繊維セクターのレポートでは、7~9月は石油化学、半導体材料、液晶材料のそれぞれの需要が概ね好調、中でもアジア中国向けでの石油化学の需要が好調だったと指摘。塩ビやポリカーボネートなど需給がタイトな製品については10~12月も好調が持続、半導体材料も300mmウエハなどの好調が続くと見ているものの、1~3月に向けての半導体ウエハ需要には短期の調整リスクがあるため、需要反転は4~6月からになると解説。10~12月に良好な株価推移が期待できる銘柄として東ソー、三井化学、帝人を紹介。短期需要調整リスクがあると考えている半導体材料の中では、信越化学、日立化成、東京応化が底堅い株価推移になると予想しています。
【みずほ証券】
中小型株のレポートでは、日銀のETF購入方法のTOPIX重視への変更によって、中小型株の株式需給が良くなったと指摘。秋の臨時国会での労働市場関連法案の成立が遅れて、外国人投資家の日本株買いが当面期待できなくなったため、中小型株の大型株に対する相対パフォーマンスの判断を「アンダーウエイト」から「オーバーウエイト」に引き上げ。注目銘柄としてDCMホールディングスを、参考銘柄としてアマナ、あいHD、アグレ都市、シーズHD、アグロカネショウ、TOWA、北越工業、ニレコ、ライトオン、萩原工業、トーホー、スターツコーポを紹介しています。
【SMBC日興】
商社セクターのレポートでは、実態収益の動向は前提価格との比較で、為替は円高、鉄鉱石・石炭価格を中心に概ね上振れ基調と指摘。短期時間軸では、三菱商事、三井物産、双日が相対優位、丸紅、豊田通商が相対劣位との見方で、一過性損益の出方次第では、見た目の純利益が振れる点は留意したいと解説。業種格付けは「中立」を継続しています。
【JPモルガン】
化学セクターのレポートでは、国内のポリオレフィン事業で高稼働率・高マージンが継続したとみて、東ソー、三菱ケミカルHD、三井化学を中心に良好な上期決算を迎えると指摘。上昇基調が続く原油価格の影響は、下期以降の交易条件への懸念材料としながらも、機能商品での増産寄与や大定修解消により17年度にかけて確実な増益ファクターを控える東ソーは、第2四半期決算で好材料出尽くしを意識される可能性が低いと解説。東ソーのトップ推奨を継続しています。
【クレディスイス】
タイヤ・ゴムセクターのレポートでは、タイヤでは売値-原材料価格スプレッドや為替の減益影響が拡大する17年12月期上期が収益のボトムと予想し、下期以降の収益回復は株価にとって好材料と指摘。中長期的にはバリュエーションの低下や収益性のピークアウト、グローバルタイヤ市場の成長率低下などが懸念材料としながらも、グローバルタイヤ需要は2020年までに2.2%程度の伸びが期待できると予想。個別では、一般消費財セクターとの共同カバレッジ銘柄のオカモトを買い推奨しています。
【シティグループ】
日本株投資戦略では、第2回目の大統領候補者討論会を終えた段階で、米国の世論調査はクリントン民主党大統領候補が支持を広げていることを示唆していると指摘。同証券では、クリントン民主党候補の勝率を60%から70%に引き上げ、トランプ共和党候補の勝率を40%から30%に引き下げ、「米大統領選の翌年は円安・株高」というアノマリーが再現される可能性が高いのは、クリントン候補勝利のケースと解説。トランプ候補勝利の場合、市場は一時的に恐慌状態に陥る可能性があるとみて、日本の株式市場でも短期的に5~10%の株価調整が起こるリスクがあると予想しています。
【JPモルガン】
商社・鉄鋼セクターのレポートでは、米国石炭大手Peabodyが新日鉄住金と10~12月の強粘結炭契約価格で合意したとの報道を受け、仮に報道通りの水準で妥結したとすると鉱山会社に有利な内容と指摘。想定よりも高い価格での妥結となったことで原料炭サプライヤーとして恩恵を受ける三菱商事の短期業績にポジティブとの見方で、具体化しつつある業績アップサイドを株価が織り込む展開が続くと予想。鉄鋼(高炉)セクターへの短期警戒感は避けられないとしながらも、「過度な懸念は不要」との見解を示しています。
【UBS】
Jリート(ホテル)セクターのレポートでは、2016年に入り日本人の国内宿泊需要が弱含んでいると指摘。それでも、アクティブ・シニア消費、付加価値重視、都市化、モノ消費からコト消費などの消費構造が国内旅行需要を拡大させるとの見方で、将来的な成長余地は大きく残されていると解説。10月末発表予定の9月月次実績が弱含む可能性など「短期リスクはある」としながらも、長期注目銘柄としてインヴィンシブルとジャパン・ホテル・リートを推奨しています。
【ゴールドマンサックス】
消費財セクターのレポートでは、円高や穀物市況安によるデフレ懸念はあるものの、消費財銘柄のファンダメンタルズは好調と指摘。食品加工銘柄は原材料安による粗利益率改善が17年1月まで見込める上、選択と集中による事業ポート再構築に着手する企業も出てきたとして、競争力のある海外事業・国内のマージン改善余地のある会社に注目したいと解説。個別では、江崎グリコ、味の素、明治HDを買い推奨しています。
【TIW】
米経済指標好調と大統領選挙でのブラックスワン(=トランプ氏)登場の可能性の後退から、ドル高・日本株高の展開が続きそうと指摘。日経平均と比較してTOPIXや新興株式市場の上昇率はやや限定されているため、早晩、中小型株への波及が期待できそうとみて、消費者動向に左右されない医療、建設、ソフトウエア開発、ビジネスサービスなどの分野に注目したいと解説。注目銘柄として、「過去最高の受注残高を抱えて上方修正必至」の、フロイント産業を取りあげています。
【野村證券】
商社セクターのレポートでは、4~9月期の進捗率は一過性損益の計上による不確定要素はあるものの、43~76%と格差が大きい決算になると指摘。セクター内では、原料炭のスポット市況が大幅に上昇したことを主因に三菱商事の進捗率が76%と高く、三井物産も資源分野のコスト削減効果や資産売却益も見込まれることから74%の高水準を予想。資源分野は原料炭市況上昇は追い風とみて、注目銘柄として三井物産を取りあげています。
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