2021年8月の日本株展望、日経平均株価予想と個別注目銘柄

リオープン銘柄 日本株投資戦略

8月の株式展望と日経平均予想2万9000円

SMBC日興証券は2021年8月の株式相場見通しでは、デルタ株を中心に世界で新型コロナ感染が再拡大しているものの、ワクチン効果による重症化リスク低減により、欧米は経済活動正常化に大きく舵を切っていると指摘。

日本の新型コロナウイルスワクチン接種率も進展、早晩日本も欧米同様の道を目指すとみて、経済活動再始動の明確化とともに日本株は上昇基調に回帰すると解説。

8月の日経平均株価予想レンジを26,500~29,500円、8月末の日経平均株価予想を29,000円に設定。

第一四半期決算で高進捗の見込まれる銘柄として、エス・エム・エス、日本新薬、エーザイ、HUグループ、住友金属鉱山、リクルートホールディングス、豊田自動織機、ロームを紹介しています。

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新型コロナ後の消費はモノからサービスへと変化に注目

クレディスイス証券アナリストによる小売セクターのレポートでは、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府に緊急事態宣言発令の方針と伝わったことを受け、今回の報道に改めての驚きはないと指摘。

日本でも新型コロナウイルスワクチン接種が着実に広がっていることに着目し、投資視点では新型コロナ収束後の消費行動に、消費行動では消費者の支出意向がモノからサービスへと変化に注目したいと解説。

個別銘柄では、都市部での居酒屋チェーン閉店など店舗閉鎖が進む中、これまで出店が難しかった都市部での出店を本格化させている回転ずしのスシローを運営しているFOOD & LIFE COMPANIESに対し、「国内のシェア拡大にとって追い風になると」との見解を示しています。

総合商社・三井物産と三菱商事をトップピック注目銘柄

大和証券アナリストレポート商社セクターでは、鉄鉱石、原料炭、原油、銅など主な資源価格が総じて会社計画前提を大きく上回って推移しているため、第一四半期業績は概ね堅調と指摘。

1Q純利益の通期計画進捗率は、三井物産が37%、伊藤忠商事が36%、丸紅が35%、三菱商事32%と予想し、Covid-19対策での世界的金融緩和・財政支出拡大、堅調な主要資源価格などからセクタースタンス「強気」を継続。

個別企業では、三井物産と三菱商事をトップピックに、注目銘柄として双日もピックアップしています。

日本株上昇アウトピークは10月~12月

SMBC日興証券による日本株見通しでは、世界的にデルタ株の脅威が増しているものの、ワクチンが先行した英国で重症者数が増えていないことは朗報と指摘。

ここまでの日本株は米実質金利下落に沿ってリーズナブルにアンダーパフォームしているため、「良い金利上昇」と実態経済回復の確度が高まった後はアウトパフォームに転じると解説。

当面は不安定も、夏場が「景気ピーク懸念」のピークになるとみて、10~12月に日本株はアウトパフォームすると予想。

好材料を持つ銘柄や1Q決算好調が期待できる銘柄として、コムシスホールディングス、東レ、テルモ、住友電工、SMC、ソニー、ヨコオ、トヨタ自動車、武蔵精密、日本テレビを紹介しています。

医療機器セクター見通しアナリストレポート

三菱UFJモルガン・スタンレー証券アナリストレポート医療機器セクターでは、今後の経済成長鈍化が意識され始めるなど保守的な運用が好まれる局面では、同セクターの安定した業績成長性が見直される可能性があると指摘。

投資銘柄選択では、バリュエーションに過熱感がなく中期業績拡大が期待できる銘柄、個別カタリストや成長戦略の実現でバリュエーションを支えることが可能な銘柄に着目。

個別銘柄では、テルモと朝日インテックのトップピック推奨を継続しています。

日経平均株価チャート分析レポート

東海東京証券によるテクニカル分析レポートでは、日経平均株価は25日移動平均線と75日移動平均線が下向きも、200日移動平均線は上向きのため、一時的な下振れはあったとしてもレンジ相場は継続中と指摘。

先行きの業績トレンドが上向き、テクニカルトレンドは下向きで「相反するトレンド」になっているとみて、レンジの上下どちらにも振れる可能性があると解説。

一部の値がさ株に左右されやすい日経平均株価よりは内需の影響を受けやすいTOPIXを選好、東証マザーズ指数は52週移動平均線を上回るまで様子見姿勢を提案しています。

iPad、Macbook関連銘柄シャープと日東電工

クレディスイス証券テクノロジー関連のアナリストレポートでは、米アップルの3Q決算で、4~6期として過去最高売上を記録したことを受け、特にサプライズはないと指摘。

日経関連銘柄インプリケーションとして、ソニーのイメージセンサー事業では、iPhone向けが堅調に推移したと推測し、7~9月期以降はiPhone新モデル向けの立ち上がりにより、利益モメンタムの改善が期待できると解説。

iPad、Macbook関連のシャープと日東電工は、前年のハードルの高さにより年度下期に向けては売上成長鈍化となると予想しています。

リオープン銘柄とはコロナワクチン接種後の経済回復銘柄

大和証券小売セクターのアナリストレポートによると決算は緊急事態宣言延期による業績リスクがある点に留意したいと指摘。

業績回復の遅れがあるにしても、ワクチン接種が進むに伴い下期消費は回復に向かうとみて「リオープン銘柄に注目」、今後3か月間のセクター投資判断「中立」を継続。

ReOpen(リオープン)銘柄として、良品計画、ワコールホールディングス、マツモトキヨシホールディングスをトップピックで推奨。

注目銘柄として、ファーストリテイリング、しまむら、ZOZO、ツルハホールディングス、サンドラッグ、ニトリホールディングス、ヤマダホールディングス、ケーズホールディングス、ビックカメラを紹介しています。

医療機器メーカー企業の注目銘柄

東海東京調査センター医療機器業界のアナリストレポートでは、コロナ禍のなかで収益回復期待は高まっていると指摘。

医薬品産業が新型コロナウイルス感染拡大による受診抑制の影響で苦戦していることに対し、医療機器分野は相対的に立ち直りが早いと想定、コロナ関連予算の顕在化は医療機器の受注増に直結すると解説。

注目銘柄として、医療インフラ関連のシスメックス、オリンパス、シップホールディングスを紹介しています。

SMBC日興証券推奨銘柄・味の素をトップピック銘柄

SMBC日興証券食品セクターレポートでは業績は総じて堅調、コロナ禍で苦戦を強いられた企業では回復が見られ、内食化で好調だった企業の反動減も想定より小幅に留まりそうと指摘。

原料高は懸念材料も、値上げが広がる可能性は高いとみて、経済正常化をめぐる様々な不透明感は相対株価の下支えになると解説。

個別銘柄では、味の素をトップピックに、アサヒグループホールディングス、サントリー食品、日本水産を推奨しています。

野村證券が電子部品企業のコア推奨銘柄に5社ピックアップ

野村證券アナリスト電子部品セクターレポートでは、大手11社の2022年3月期は、売上高が前期比12.9%増の10兆5400億円、営業利益が同37.9%増の1兆2380億円と予想。

業績対比で現状株価を見ると、株価は2023年3月期業績を織り込んだ水準にあるため、一見割安感に乏しいように見えるものの、株式市場で成長期待の高い企業に対して従来以上にプレミアム評価を付ける傾向があると分析。

MLCCやリチウムイオン電池などでも日本の電子部品企業が成長機会を捉える可能性は高いと解説。

個別銘柄では、TDK、村田製作所、太陽誘電、日本電産、イビデンをコア推奨しています。

LINE証券

ファクトリーオートメーション関連銘柄

クレディスイス証券機械セクターのレポートでは、2021年6月の工作機械受注速報値で中国向けが前月比28%減となったことを受け、PC・タブレット関連需要が一服したことが背景にあると推測。

引き続き中国FA関連需要には注視が必要としながらも、7月以降も中国での受注は高水準が続く見通しを日工会の会長が示していることや、日米欧での需要の回復傾向が続くことを踏まえると、6月の確報を受けて機械セクターに対して過度にネガティブに捉える必要はないと解説。

クレディスイス証券アナリストによる個別銘柄では、ファナック、ハーモニック、キーエンス、SMC、荏原製作所、ナブテスコの買い推奨を継続しています。

機械株指数は2018年の高値水準まで上昇、脱炭素関連銘柄相場が落ち着き

三菱UFJモルガン・スタンレー証券投資譲歩うレポートによると、産業用エレクトロニクス・重機セクターのレポートでは、一時ブーム化した脱炭素関連の相場が落ち着き、株価がファンダメンタルを織込み始めていると指摘。

機械株指数は直近業績のピーク2018年高値とほぼ同水準まで上昇、今後の業績回復を相当程度先取りした可能性もあるとして、過去最高益更新や中期成長確度の高さなどの選別が重要になると解説。

注目銘柄として、富士電機、栗田工業、住友重機、アルゴグラフィックス、ISID、図研を紹介しています。

テクニカル分析、日経平均株価チャート8月予想

みずほ証券テクニカル分析レポートは、日経平均株価が3日連続で200日移動平均線を下回ったことからリバウンド局面では戻り売りが膨らみやすいと指摘。

米国主要株価3指数の高値更新が小刻みで反落しやすいことを考慮すると週初上昇、25日移動平均線超の上値は重いとみて、週後半は再び下値模索となり先週末の水準をうかがうと解説。

内外で夏季休暇を取る投資家が多く、薄商いの中、短期筋の動きに翻弄されやすいとの見方で、8月は日経平均株価2万7000円、TOPIX1880ポイントを下放れる場面があると想定。

日本株が欧米株に対して上げにくく下げやすい出遅れ状態は容易に解消されないと予想しています。
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