円高影響やF-LNG・海洋構造物事業で3プロジェクトがさらに悪化
IHI(7013)は24日引け後、17年3月期連結業績予想の下方修正を発表した。通期の売上高は1兆5200億円から1兆5000億円(前期比2.6%減)へ、営業利益は580億円から380億円(同72.4%増)へ、最終損益は220億円からトントン(前期は15億2900万円の黒字)へ引き下げられた。
営業利益以下の損益見通し悪化の要因は、前提為替レートの変更(米ドル:105円→100円、ユーロ:115円→110円)の影響に加え、主としてF-LNG・海洋構造物事業での3プロジェクトのさらなる悪化によるもの、としている。
シンガポール向けドリルシップ船体建造工事では、年内の引渡し予定を2017年3月に変更したため、大きな追加コストの計上が必要となった。ノルウェー向け洋上浮体式石油生産貯蔵積出設備(FPSO)船体建造工事では、艤装(配管)、電装(ケーブル)工程での大幅な物量増加や、敷設済みの部分についても後戻り作業の必要性が明らかになり、引渡し予定は2カ月遅れて2017年7月の見通しとなり,見積コストも大きく増加する。国内向けLNG船用SPBタンク建造工事(4タンク×4隻)では、工程遅れキャッチアップのための最終ブロック組立用の作業エリアを増設し、また習熟効果を一切見込まずに第1船の2タンクの実績をベースに、後続のタンク建造の作業量を見直した結果、見積コストは大幅に増加し、完成予定も1~2カ月遅れて最終4番船の引き渡しが2017年12月となる見込み。
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