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アナリストレポート拾い読み(2015年8月25日)
【モルガンスタンレー証券】
運輸セクターのレポートでは、世界同時株安下、「更なる下値リスクが限定的な銘柄」、「売られすぎ銘柄」のスクリーニングを実施。減益下でも減配リスクが相対的に小さく、配当と自己株取得を合計した総還元イールドが3%前後と相対的に高い会社として、ヤマトHDと福山通運を、同証券が想定する弱気ケース株価に対する乖離率が、マイナス5%よりも小さい会社として、近鉄エクスプレス、西武HD、日本空港ビルデング、住友倉庫を紹介。世界同時株安の直接的背景となっているのはアジアの景気減速・悪化リスクのため、営業利益構成比でアジア依存度が高い会社は短期的な留意が必要とみて、アジア地域の営業利益構成比が高い銘柄として、郵船ロジスティクスと近鉄エクスプレスを取りあげています。
【UBS証券】
世界同時株安を受け、中国経済の先行き懸念と米国利上げの可否の綱引きによって引き起こされた混乱で、世界全体で株式からの資金流出の動きが顕著と指摘。今までベスト・パフォーマーの日本株が利益の確定対象となっていることから、「単純に株から他の安全資産へのシフトであると見て間違いない」としながらも、特に日本に限定すれば「現在の株安は日本固有要因ではなく海外要因が飛び火した結果にすぎない」と解説。株そのものからの資金流出が長期化すれば日本も傷が浅く済むとはいえないとみているものの、企業業績は実績、予想ともに堅調に推移していること、内需を中心とした日本経済の底堅さや政策的なサポート期待もあることから、中長期的には過度に悲観視することはないと分析しています。
【三菱UFJ証券】
不動産セクターのレポートでは、不動産デベロッパーの第1四半期決算は、既存物件の収益性回復に伴い全体的に好調だったと評価。ポートフォリオの中心となっている都心オフィスビルでは、空室率低下傾向が続き、継続賃料の上昇トレンドも鮮明になってきたとみて、三鬼商事集計の東京都心5区空室率は7月に5%を切り、各社が賃料を引き上げやすい環境が整ってきていると解説。注目銘柄として、同証券予想実質NAVに対する株価ディスカウントの著しいNTT都市開発、東京駅八重洲口で大型再開発を始動する東京建物、インバウンド需要の恩恵を受けやすい都心モールを複数開発中の東急不動産HDを紹介しています。
【野村証券】
銀行セクターのレポートでは、足元内外株価の急落を受け、株価要因からくる目先の不透明感は否定しがたいものの、こうした外部環境の当面の銀行業績への影響は軽微と指摘。バリュエーション水準も割安感を増していることから、主要銀行セクターへの強気のスタンスを強調。個別では、子会社・海外中心に業績堅調、かつPBR水準が0.7倍割れとバリュエーション妙味が強まった三菱UFJ、次いで非金利収益主導で業績好調なみずほFGをセクター内のトップピックとして推奨。他には、出遅れ感の強い三井住友トラストHDも買い推奨しています。
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