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機関投資家向けに提供されるアナリストレポートの中から、 個別銘柄、ストラテジー、セクター情報まで多岐にわたってわかりやすく解説。
市場関係者にも愛読者多数の人気コンテンツです。
【野村証券】
日経平均2万円割れを受け、「ギリシャ経済危機の短期的な収束も想定しづらく、中国株がどの程度で下げ止まるかという不安も残る」と指摘。日本株の中で、ギリシャリスクや中国リスクを受けづらい銘柄として、大成建設、鹿島、明治HD、エムスリー、キッコーマン、東洋水産、日清食品、三越伊勢丹、セブン&アイ、ツルハHD、日本触媒、リゾートトラスト、ヤフー、日本電気硝子、東芝、ドンキホーテ、島津製作所、しまむら、H2Oリテイリング、東京海上HD、相鉄HD、東宝をピックアップしています。
【SMBC日興証券】
自動車セクターの決算プレビューでは、第1四半期決算は営業利益合計で前年同期比10%増を予想。販売台数は、欧米好調、国内・新興国減少が続いているものの、特にリスク視される欧州も含め先進国ではミックス改善効果が寄与し始めているとの見方で、為替影響も単なる外部要因ではなく、調達戦略やコスト競争力によって今後の収益格差につながると解説。個別では第2四半期以降のモメンタムや計画比進捗等を考慮して、日産、マツダ、いすゞに注目。「トヨタのアップサイドと挽回にも期待したい」として、業種格付け「強気」を継続しています。
【クレディスイス証券】
インターネットセクターのレポートでは、インターネット経済圏の確立には顧客IDを基盤に、情報・サービス・コンテンツ、コマース基盤(売り場)、決済機能(クレジット、仮想通貨、ポイント)、情報通信の4機能が必要と指摘。楽天、ソフトバンク(ヤフー)、リクルート、NTTドコモ、KDDIはこれら機能の具備を目指しているとの見方で、楽天は楽天市場ログインIDを軸にECから旅行予約、クレジットカード、銀行、証券、生保にも進出、巨大ネット金融コングロマリットを形成していると評価し、ソフトバンクグループの一翼を担うヤフーは国内EC拡大に加え、中国アリババとの連携強化を目指していると解説。リクルートは、就職・転職、進学、結婚等のライフイベントに紐づく国内IDを有して、移動体通信事業者は携帯電話番号に紐づくIDを大量に保有していることを、NTTドコモはPonta連合と合流、コンビニ大手ローソンと急接近していることを、KDDIはスタートアップのインターネット企業への出資や金融サービスの強化を狙うことを、それぞれ評価。セクター判断「オーバーウエイト」を継続しています。
【東海東京調査センター】
日本株下落を受け、日本企業の業績拡大シナリオが頓挫したと考えにくいことや日経平均の予想PERが15.6倍まで低下し割安感が高まったことなどから、中期スタンスで突っ込み買いに備えるタイミングに差し掛かっていると指摘。リスク回避の円高が進んでいるも、大企業・製造業の想定為替レートは1ドル115.62円と、現状では業績の上ぶれ要因に働くことが見込まれるとの見方で、日経平均の下値メドを5月7日安値19257円、週足一目均衡表の基準線18831円と試算。同調査センターのトップピック銘柄として、高砂熱学、不二製油、Aiming、カネカ、日華化学、東京製綱、パイオラックス、OSG、ローランドGD、小糸製作所、日本MDM、PCデポ、ジャックス、サカイ引越を紹介しています。
【TIW】
ギリシャがユーロ離脱という結果を迎えたとしても、米国や日本には直接的な影響は限定的であることは広く認知されていると指摘。米国経済指標は、雇用統計を除けば好調に推移、スーパーマーケットなど国内景気も明るさが増してきていることなどから、日本株がこれ以上に大きく崩れることは考え難いと解説。それでも、上値が押さえられる展開は続くとみて、「深押しする局面では主力株の押し目を拾ってゆきたい」とコメント。日経平均想定レンジを、19300〜20750円から19150〜20600円に引き下げています。
【SMBC日興証券】
鉄鋼セクターの決算プレビューでは、国内外の鋼材在庫調整により第1四半期の鋼材出荷量は計画を若干下回っているとみられるものの、主原料価格の下落によりメタルスプレッド(製品出荷価格−原料購入価格)は各社の計画を上振れていると想定。高炉各社は第1四半期をボトムに収益回復、電炉・単圧各社はメタルスプレッドが第2四半期以降も高水準を維持するとの見方で、特殊鋼は下期の自動車向け出荷回復に期待したいと解説。業種格付け「強気」と、新日鉄住金、JFE、共英製鋼、日立金属の買い推奨を継続しています。
【ゴールドマンサックス証券】
ベアリング業界のレポートでは、第1四半期営業利益は、国内自動車生産の前年ハードルが高い&中国自動車販売が鈍化しはじめた割には計画線プラスアルファを確保するなど、順調なスタートを想定。機械セクターの需要が全般的に冴えない中、為替・売価など交易条件の改善や下期にかけての国内生産回復の可能性などが期待できるとみて、前下期の国内生産が停滞していた影響でハードルが低い点も追い風になると解説。ベアリング3社すべてを買い推奨、日本精工とNTNのコンビクション買いを継続しています。
【みずほ証券】
テクニカルでは、日本市場は欧州市場と比較して相対的にリスクが低いと指摘。裁定買残は今年のボトムに接近しているため、先物が売られても裁定解消売りが大量に出る懸念は小さいとの見方で、仮に日経平均が20000円を下回っても19500円が大きな下値支持線になると解説。今週末の7月SQ頃に安値を形成した後、7月下旬に戻り高値を形成すると考え、今後は7月以降の月末値が2000年高値を上回っていると中長期的な上昇局面にあると判断。その場合は、96年高値22666.80円が次の上値メドになると予想しています。
【クレディスイス証券】
化学セクターの決算プレビューでは、第1四半期決算は石油化学の採算改善、円安効果などで総合化学の業績が堅調、原料安効果により中堅化学の損益改善も見込まれると指摘。電子材料は総じてコンセンサス並みにとどまり、合繊は計画を上回る進捗を予想。第1四半期営業利益は会社計画を上回り、中間期営業利益計画を上方修正しそうな銘柄は三井化学、第1四半期会社計画営業利益を上回るも中間期計画が据え置かれる可能性が高い銘柄が帝人、東レ、旭化成、住友化学、日本曹達、三菱ガス化学、三菱ケミカル、日本化薬、三洋化成、第1四半期営業利益は会社計画を下回るものの中間期計画が据え置かれる可能性が高い銘柄としてトクヤマとJSRを紹介。セクター判断は「マーケットウエイト」を継続しています。